若狭湾

キャロルの若狭湾のレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.0
キャロル
上映最終日に滑り込み鑑賞。総合的に凄まじく美しい映画。とにかくシーンのひとつひとつ、音楽、動き、セリフなど全てが麗しかった。時代背景的に服装や小道具もレトロクラシカルで素敵。あまりの心地よさに、体調が万全でないのも相まって途中でウトウトしてしまった。非常にもったいないことをした……。

同じく同性愛がテーマの「ブロークバック・マウンテン」でも同性愛は迫害の対象であったが、この「キャロル」でもキャロルはテレーズと関係を持つことで、親権をもつ資格がない“非道徳”のレッテルを貼られてしまう。キャロルがイニスと違うのは、最終的にそのような生き方を否定せずに、堂々とハージの前で宣言したこと。「私もあなたも醜くないはずでしょう」というセリフには彼女の強さが表れている。
テレーズは自分では何も選択できずに、結果キャロルを苦しめてしまったと悩むが、彼女も彼女で、最後は自分の意思でキャロルを探しに行く。最後のカット、微笑むキャロルはこの美しい映画の中でも一等美しかった。

百合と言えば死体処理という固定観念に囚われているので、キャロルのカバンから拳銃が出てきた時はハージは絶対に死んでしまうと思った。生きててよかった。
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