アベ二ティKazumaAbe

キングスマンのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.6
定期的に観たくなる一作。再々鑑賞。無邪気な楽しさに満ちた二作目も嫌いじゃないけど、こっちのが圧倒的にスルメ映画。アクション大作であることは間違いないが、ほかと一線を画すのは組織の在り方、要所要所のキャラクター描写において。

表向きは高級テーラー、その内情は殺しのライセンス下り済みのスパイ組織!…といった設定に始まり、優れた能力を持ちながらも承認欲求が抑えられない風の主人公、「紳士であれ」と口にしながらも爆弾みたいな性質を晒してしまう先輩、腹に一物ありそうながら実際ワルい上司…諸々のツボを押さえた演出、お上品に見せかけて→あらオホホな塩梅がとっても素敵。スマートなガジェットの数々はカッコ良く、中でも傘とか本気で欲しくなる。悪役連中もルックからキッレキレ、ガゼルちゃんはいつ見てもカッコ美しい。ヴァレンタインは環境の悪化を食い止める為に人を減らさんとしている設定だが、“ゲイ嫌い&人種差別的・キリスト教原理主義な南部の白人”を最初の被害者に選ぶとこ等にも浅からぬ事情を感じた。イギリス特有の黒〜い皮肉が効いていたと思う。

教会内での大殺戮、終盤の汚ねえ花火がボカスカ打ち上がる中でのアゲ♂アゲ♂大乱戦は見もの。よく考えてみればいっぱい死んでるの一般人じゃね?と思うところもあれど、スラップスティックなノリでサクッと観れた。ステイツマンのスピンオフも楽しみにしてます!