はせ

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのはせのレビュー・感想・評価

4.0
いま世界で一番アツいモンスターオタクのマイケル・ドハティ監督・脚本作品。主人公の上司とか兄貴とかそんな役ばっかりなイメージのカイル・チャンドラー主演。渡辺謙と半魚人大好きなサリー・ホーキンスは前作から続投。本作はゴジラとシリーズ最強の宿敵キングギドラの三番勝負を観戦できるポップコーンムービーだった。

本作の監督マイケル・ドハティは、例えば『最後のジェダイ』のライアン・ジョンソンや『炎の王国』のフアン・アントニオ・バヨナのように、大作映画の続編に大抜擢された無名の中継ぎ監督だ。彼らに共通するのは、製作側の注文を聞きつつ自らの作家性を作品に落とし込むという離れ業をやってのけ、さらに作品の世界観を破壊し尽くしたことだ。マイケル・ドハティの作家性とは、モンスター達への愛に溢れた丁寧な描写と、そんなに丁寧じゃない人間ドラマだと思う。

やはり本作最大の見所は、ゴジラvsギドラの怪獣プロレスだ。終盤に近づくにつれ、主人公の動向はもはやどうでもよくなり、いいからプロレス映して!とカメラに言いたくなる。

ゴジラシリーズを全作品観ていない僕でも、平成ゴジラ作品へのオマージュがふんだんに盛り込まれていることがわかった。特に僕は『vsデストロイア』や『大怪獣総攻撃』が大好きなので嬉しかった。『フォースの覚醒』とはまた違った切り口のファンサービス映画だと思う。

前作で怯えてるだけのオッサンだった渡辺謙に大きな見せ場が与えられている。実際の撮影現場では渡辺謙の意見が取り入れられたらしいし、製作側の「日本原作」へのリスペクトがそういった事実にもあらわれている。
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