爆裂BOX

ゾンビ・ナイトの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・ナイト(2013年製作の映画)
4.0
世界中で死者が蘇り人々を襲い始める。パトリックは妻のバーディ、娘のトリッシュと共にゾンビの群れから逃げようとするが…というストーリー。
同名のゾンビ映画がありますが、こちらはSyfyとアサイラム製作、「フィースト」シリーズや「ピラニア リターンズ」のジョン・ギャラガーが監督したテレビ映画です。
物語は二組の家族+αのサバイバルを描く物で只管ゾンビから逃げ回る展開ですね。何時ものギャラガ―作品の様にコミカルな感じではなく、シリアスタッチで描いています。
ゾンビはお馴染のノロノロゾンビで墓地からモゾモゾと這い出すゾンビがいい感じですね。ゾンビメイクもそれなりにしっかりしてますし、人数も多いですね。行く先々に続々とゾンビが登場します。お食事シーンもテレビ映画だからそんなに無いかと思いましたが結構頑張っていました。
ギャラガー監督と言えば「フィースト」シリーズでの赤ん坊を怪物に放り投げたりするような鬼畜ギャグが持ち味になっていますが、本作はテレビ向けなのでそういうシーンは無いかと思いましたが、銃を奪われそうになった警官が暴徒と揉み合う内に助けようとした少女を誤射しちゃうシーンがそれっぽかったですね。
本作のゾンビはロメロ作品や「ウォーキング・デッド」の様に死んだだけでゾンビになっちゃうタイプですが、噛まれてゾンビになるシーンは無かったですね。主人公の奥さんや隣人家族の男の子は噛まれてもゾンビ化しなかったし。噛まれてもゾンビにならず死んだだけでゾンビになるというのはウイルスではなく世界のルールが変わったという感じがして結構好きですね。朝になると活動停止するという設定も面白いですね。夜行性ゾンビというのはもう一つの「ゾンビナイト」のゾンビと似てるな。
主人公のパトリックは勇敢で行動力あってカッコよかったです。それにしても主人公夫婦最強すぎでしょ。最後囲まれた時終りみたいな雰囲気出してたのに普通にケロッと生存してるし。娘も良しでゾンビの頭ボコボコ殴りまくってて強かったですね。母親ちょっと引いてたし(笑)隣家の主人ジョンは自己中心的な所はありますが、それも家族を第一に思っての行動ですからね。最初は受け入れようとしてたし根っからの悪人という訳ではないかな。ちょっと「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のクーパーを彷彿させます。
ラストは一ヒネリあるかと思いましたが綺麗に終わりましたね。ヘリは登場しませんが、夜明けの中を脱出する所はちょっと「ゾンビ」っぽい。ネイサンの最後のセリフも印象に残ります。また夜が来ると現れるのかな。
いつものギャラガ―作品のノリを期待するとちょっと違うとなるかもしれませんが、ゾンビ映画としては充分及第点だと思います。コメディも好きですけど、シリアスなゾンビ映画なのも良かったですね。