福福吉吉

グランド・イリュージョン 見破られたトリックの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
◆あらすじ◆
姿を隠していたフォー・ホースメンのメンバーはIT企業オクタ社の個人情報搾取の不正を暴露するため、再びオクタ社のプレゼンを乗っ取る。しかし、暴露を始める前にフォー・ホースメンの秘密を暴露されてしまい、彼らは逃亡を余儀なくされる。そこには天才エンジニアのウォルターの罠があった。フォー・ホースメンはウォルターの命令によりオクタ社の情報操作のチップを盗みに入ることになるが...。

◆感想◆
前作「グランド・イリュージョン」(2013年)の続編となり、前作を観ていないと分かりにくい部分があります。私は前作を今年の9月末に観ましたが、キャラクターを結構忘れていて大変でした。

魔術師集団「フォー・ホースメン」が再び集結して活躍するストーリーとなっていて、本作では強敵、ウォルター(ダニエル・ラドクリフ)の出現により、ピンチの連続から始まる緊迫感のある展開が楽しめました。

「フォー・ホースメン」のメンバーは女性メンバーが変わっていますが、ストーリー上、あまり変化はないように感じました。このメンバーはそれぞれの個性を見せるのではなく、チームとしての連携を見せるキャラクターになっていて、チームとしての魅力がたっぷり詰まっていました。

一方、前作で正体が明らかになったFBIのディラン・ローズ(マーク・ラファロ)は過去が明らかになり、窮地の連続の中で彼の存在感がとても大きかったと思います。本作はディランが主役だったと言って良い内容でした。

また、前作登場キャラクター、手品のトリックを暴く専門家のサディアス(モーガン・フリーマン)、保険会社のアーサー・トレスラー(マイケル・ケイン)は脇役ながら重要な場面で登場しており、2人の個性が上手く出ていました。

そして、本作の強敵であるウォルターは相手を小馬鹿にするような笑顔を湛えていて、とても憎らしいキャラクターでした。彼の一言一句が全て腹立たしくてダニエル・ラドクリフの演技力の賜物だと思います。

ストーリー展開としてテンポが良く、それで早々にフォー・ホースメンが追い詰められるので、常に心理的な圧迫感を感じながら観ることになり、それが良い意味で嫌な雰囲気を醸し出していました。「いつ逆襲するんだ?」という期待を持ちながら観る楽しさがあって良かったと思います。

ラストのドラマと言い、前作と併せて1本のストーリーと言える内容でした。満足感の高い作品でとても面白かったです。

鑑賞日:2023年12月26日
鑑賞方法:BS松竹東急
(録画日:2023年2月14日)
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