YP子

ストレイト・アウタ・コンプトンのYP子のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

N.W.A.のデビュー・スタジオ・アルバム「Straight Outta Compton」はよく聴くアルバムです。

Eazy-Eはもちろん、ICE CUBEもDreも大好きだからです。
だからN.W.A.のドキュメンタリー映画が公開すると聞いた時はテンションあがりました!
ここ沖縄では期間も短く1か所でしか上映せず劇場観賞を逃してしまっていたからようやくDVDで観賞できました!

N.W.A.がどんな風に結成されて、最後どうなるか。Eazy-Eはどうなるか。
それはもう知っていたし、N.W.A.のまわりに登場するラッパー達やレーベルもHIP HOP好きだから知っている。

だけど、こうして映像で観ると衝撃を受けるね。


2015年のアメリカ映画。
N.W.A.のメンバーと交流のあったF・ゲイリー・グレイが監督。
制作にドクター・ドレーやアイス・キューブが参加。
(アイス・キューブ役は、アイス・キューブの実の息子。むっちゃそっくり)


N.W.A.の本拠地コンプトンはロサンゼルスの南に隣接する町。
殺人の発生率が全米平均の8倍以上。(現在は徐々に治安はよくなっているみたい)
5km×5km程度の広さの町で、年間150件殺人がおきたりもする。
そこで起きる人種差別や、警察の信じられない対応は本当にショッキング。
この映画が公開された時L.Aではすごい反響で新聞の一面を飾っていた記憶が。
とにかくすごい現地の人や世界中の人が考えさせられた映画だったんだと思う。

アイス・キューブが書いた"Fuck The Police"がこうして生まれたのは知らなかった!
この歌は今でもよくかかるし、かけるよね。
(前友達とビーチでBBQしてる時やBarでイベントしてて、警察が見回りに来た時とかに"Fuck The Police"かけたりしてた笑)

Eazy-Eを中心に物語は進んでいったけど、すっごい脚色されてるんだろうね!
制作に本人達が関わってるから当然かもしれないけど、はたしてドレーがあんなクリーンでいい奴なのか!?とか(笑)
HIP HOP好きの友達に聞いても、やっぱりすごくきれな物語として脚色されてるらしい。
実際はドレーもキューブもEazy-Eの葬儀には出てないらしいし。(何か理由があったんだと思うけど)

実際自分のまわりにもいるHIP HOP好きな人たち(DJだったりラッパーだったり仲間うちでレーベルやってる人とか)は、お互いを信頼し合って活動に打ち込んでるけど、ほんとによく分裂したりする。お金の事だったり、「信頼を裏切った」とかの理由で。
これまた、腹黒い人が世の中にはたくさんいてキレイ事だけじゃやってけない状況もたくさんあるんだよね。
こわやこわや。


私の中でEazy-Eを含めN.W.A.はものすごく怖いギャングで、ものすごく悪い集団って認識だったから、こんなきれいな物語になっててちょっとびっくりしたけど面白かった。
完全に「映画」として観ました!
フィクションかそうでないかは気にせず。
真実の部分もあるだろうし、脚色した部分も当然あるとおもう。
けど、黒人をロス警察が集団リンチする実際のニュース映像は衝撃だったし、あの環境は紛れもなく事実だったんだと思う。だからそこはすごく胸が痛い。

悲しいけど目を背けてはいけない事実と、N.W.A.が言葉と音を武器にそんな腐った世の中に挑んでいった姿は本当にかっこよかった。
DOPE、DOPE言いまくるドレーの気持ちも分かるわ。
レコーディングのシーンはどれも好きだったな。ああやって生まれてきた今でもカッコイイ曲たち。この人達が伝説をつくったのは、本当に間違いないよね。


そして、とにかくいつ見ても、いつでも、昔から、今も、とにかく!!
この人はまじ恐怖。
シュグ・ナイト。
今や死神かのように恐れられてる彼は、若き頃から怖いっていうのがよく分かる。
スターウォーズでいうところのシスだな。

そして、ライオンがまだ犬だったね。スヌープ。彼はなんか明るいノリノリの奴みたいに映ってたけど、彼も相当な不死身具合だしね。

この人らの殺し合いや抗争は怖すぎるし、闇に包まれ過ぎている...

2PACはこの時もせっせと頑張って働いてるね!かっこいい。


あー ますますN.W.A.が好きになっちゃいました!
そしてますますシュグがこわくなっちゃいました!

よし。
「Straight Outta Compton」聴こうかな。
YP子

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