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Re:LIFE リライフのrurのネタバレレビュー・内容・結末

Re:LIFE リライフ(2014年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

『ラブソングができるまで』の脚本家版だろうと思ってウキウキ視聴。やってる映画館少ない! なんでだ!! というわけで映画館設備としては好きだけどお値段はあんまりリーズナブルとは思わない(でもメンバーズカードは一応持ってる)大阪ステーションシネマで鑑賞。海外製アニメとか字幕で見たい映画もここでしかやってないことが多い。ぐぬぬ。

ヒュー・グラントが予想通りのいつものヒュー・グラント。悪気なく気持ちのいいクズでそれを期待して期待通りのものが出てきてニッコリ。脚本が売れなくてエージェントに仕事くれ!って泣きついたら紹介されたのが大学の教授で。到着してみたら学科長JKシモンズの手配で志望者を振るい落とすシナリオをどさっと渡されて「10人決めてね☆」と言われたから顔で決めてしまうクズ。着任前日に声を掛けてきた生徒(美人)とその日のうちに寝てしまうクズ。集まってきた生徒に特に教えることもなく「じゃ1ヵ月後までに脚本完成させてね。それまで休講☆」と爽やかに宣言してしまうクズ。これこれ。君にはこれを期待していたんだよーってぐらいの気持ちのいいクズっぷり。

そんなクズでもかつてはアカデミー賞脚本賞を獲得していて、その映画は一度見たら誰でも好きにならずにはいられない映画「the paradise misplace(間違いの天国)」。空港係員だって知ってる映画で誰もが彼を崇拝する。
どんな映画かって語るくだりがあるんだけど、そこだけで思わずもらい泣きしてしまうレベル(※11歳のなりたての天使が誰かのために地獄に行く話ってことだけは分かる。しかしどんな映画かは分からない)

人生にひたむきな中年生徒のディレクションもあって、うまく授業が回り出すと案外教え上手なヒュー・グラント。指導を始めると輝き出す生徒たち。まったくもってカボチャっぽい脚本を書いていた子の脚本まで魅惑的に魅力的に見えてくる。イケてないルックスだからってだけで選んだ少年の埋もれたダイヤモンドの原石のような才能を見出してしっかり掘り起こしてくれたり(一瞬剽窃でもするのかとヒヤヒヤした)して、やってみれば結構いい先生だったりも。

この作品、各種映画からの引用が多くて、一番多いのがジェイン・オースティン(今度公開される偏見と高慢とゾンビがとても楽しみ。オースティンあまり関係ないけど)、あとはスターウォーズ、ダーティダンシング、マーティ、シェイクスピアもろもろ、この映画見たいな、って思わせる作品の片鱗がちらちらどころかドカドカしててなかなか楽しかったです。
JKシモンズの涙の意味これは違うんじゃないのかな。家族と一緒に『食べて、祈って、恋をして』みたいなガールズ映画を見る週末ってけっこう地獄じゃないか…(私は食べて~はどこが面白いのかさっぱり理解できなかった) 一緒に肉食ってただけだけど気さくないい先生だったぜ。なんだかそれだけで微笑んじゃうぜ。素手で人を殺せるらしいけど。

しかし画面は邦画みたいに暗いし電気つけろって感じだし途中どこいくのかさっぱりだしテンポは悪いし、あんまりおもしろい!とかって感じではないんだけどキュートな映画だった。エンディングまで可愛かった。
堀北真希似のアジア人がダーティダンシング見てひとり涙を流したあとで「殺す!」とかマジギレしてるとこすごく好き。

ラブソングができるまで、のラブソング部分以外が好きな人なら絶対大好きになる映画だと思う。それか9か月の出産以外のところが好きな人とか。私は好きです。クズが特に報いもなく最後までクズな映画だけど、それはそれでいいじゃない!


あっ、他の方のレビューで気付いたけど作中何度もキーワードっぽく出てきたrewriteがタイトルだったんだ?! 同名エロゲーがあるからタイトル替えた感じなのかな?! なんかちょっと意味違うんじゃないかな!と思いました。
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