青眼の白龍

沈黙の魂 TRUE JUSTICE2 PART6の青眼の白龍のレビュー・感想・評価

沈黙の魂 TRUE JUSTICE2 PART6(2012年製作の映画)
1.6
“TRUE JUSTICE2”完結編。ゴーストを追い詰めたケイン達はSDカードと交換に起爆装置を奪還。カナダ国境へと向かう連絡役を尾行し、ついに黒幕アイドラーの姿を発見するが……シリーズの最終話だけあり、緊迫の格闘シーンや追跡劇など緊張感は十分。しかし、突然FBIが介入したことで展開が冗長に。挙げ句の果てに、肝心のケインが狙撃に失敗してアイドラーに逃亡を許してしまう。チームは分散し、地下への潜伏を仄めかして終了という中途半端な結末。続編を意識してのことだろうが、どうにも歯切れの悪さだけが残る最終回だった。

【総括】
心の師スティーヴン・セガール主演だからと軽い気持ちで観始めた“TRUE JUSTICE”シリーズだったが、テレビドラマの2話を1本にまとめてしまった為か、思った以上に鑑賞に体力を消耗した。第1シリーズでは個性的なSIUメンバーが問題を抱えながら事件を解決する1話完結型のストーリーだったので観易かったが、新シリーズでは本筋の複雑化&無意味に仲間が増減する惨状のせいで、ほとんど内容が頭に入らない。しかもSIUの復讐をメインにすれば良いものを、核兵器など登場させて大風呂敷を広げてしまうからタチが悪い。

例えるなら前シリーズが似非『CSI』、新シリーズが似非『24』といったところか。新展開を迎えるにあたって不要な主要人物を容赦なく退場させた前日譚『沈黙の絆』が最も面白い。未回収の伏線は数多いが、恐らく回収される日は永遠に来ないはずだ。尚、本シリーズでは全体的にスタントが少なくセガール拳を存分に堪能できる。『沈黙の復讐』を薄く引き伸ばしたような世界観だが、これがセガール作品と言われれば納得せざるを得ない。まさに“セガールのセガールによるセガールの為のセガール”と言えるだろう。

(鑑賞メーターより転載)