ルチア

仮面ライダー1号のルチアのネタバレレビュー・内容・結末

仮面ライダー1号(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観て分かったこと。
私は「説教されるのが嫌い」だとずっと思ってましたけど、それは違ってて、正確には「尊敬出来ない人間に説教されたくない」だと分かったこと。
これほどの「説教映画」も無いってくらい、説教されてるような気持ちになる内容の映画ですが、全然嫌じゃない。
いや、むしろ、もっと説教して下さいとすら思う。
尊敬する人にされる説教というのは、こんなにも自分のココロに響くものかと我ながら驚きました。

言うまでもなく、「尊敬する人」というのは、本郷猛であり、それを演じる藤岡弘、さんなワケですが。
もちろん、、本郷猛は架空の人物であり、藤岡弘、さんにしても、メディアを通してしか存じ上げない方なワケでして、それで「尊敬」というのもどうかとは思いますが、45年前の少年の私は、彼らに愛と勇気と強さを教えられた事には間違いなく、それによって彼らを尊敬してもおかしい事ではないかとも思います。

そんな本郷猛がスクリーンで語るセリフが、今の私に、ずっしりと重く響きます。
若いライダーに投げかける「まだ戦えるか」。
日々、逃げ出したくなるような現状に、この言葉は重い。
そうですよね、あの本郷猛に「まだ戦えるか」と問われて「もうダメです」とは言えない。
ここは、踏ん張って、頑張って、「いけます!」と返したい。

素晴らしいシーン、セリフ、そんな一つ一つが愛おしくなります。
炎の復活シーン、ライダー・・・変身!のセリフ、圧倒される変身ポーズ、ネオサイクロンの爆音!
ラストの「生きて、生きて、生きぬけ!」のメッセージ。
すべてが今のココロに響きます。

45年前、10歳の少年であった私のココロを躍らせたあのヒーローが、45年間闘い続けて、今もなお戦っている。
もちろんフィクションではあるものの、現実の私も、まだまだ戦わなくちゃいけないなと思います。
私には、いつもライダーがそばについててくれる。
そんな気持ちにさせてくれる。

あと、戦いのシーンで、本郷ライダーが怪人を痛めつけた後に、若いライダーに「決めろ」と後を任せるシーン。
私も、あんな風に任せるとこは若いヤツに任せていきたいものです。

この映画、間違いなく、45年前に無心にライダーを崇拝してた私世代に向けたメッセージ映画です。
45年前の少年は絶対に観るべきです。
素晴らしい映画です。
ルチア

ルチア