めだまやき

デッドプールのめだまやきのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
4.5
《アイパッチにイカしたレザーコートを羽織ったサミュエルLジャクソンは出てこないよ》

元特殊部隊員から傭兵に転身し悪人に困っている人々を助けながら日銭を稼いで気ままな生活していたウェイドウィルソンは、バーで出会った娼婦のヴァネッサと恋に落ち幸せな時間を過ごしていたが突如自分が末期癌だと宣告され幸せな日々は一変する。そこへ怪しい黒服背広の某スミスのような男が現れ《実験に協力すれば癌を完治できるかもしれない》と告げられ半信半疑の中、一縷の望を託し自身を被験体として実験に参加するが見るからに怪しい施設へ移されミュータント遺伝子を打ち込まれ遺伝子が活性化する可能性を高めるためと称して行われた様々な拷問の果てに不死身の肉体を手に入れ癌は完治したが見た目は腐ったアボカドのようになってしまった…このままでは恋人ヴァネッサに会うことは出来ない、自身を醜い姿にした諸悪の根元フランシスに顔を元に戻してもらい復讐を遂げ、恋人に会うため彼はデッドプール(死の賭け)として復活した!

本作デッドプールは上映当時に字幕版を鑑賞し、最近DVDを購入して吹替版も鑑賞したので漸くレビューをする次第です。
ウェイドウィルソン演じるライアンレイノルズですがまともに綺麗な顔が映るのは序盤ぐらいかもしれません。それ以外ではマスクか劇中の表現で言うと《腐ったアボカド》のような表皮になってしまっています。

まず以て最高です。映画好きには堪らないネタやオマージュ、他作に対する皮肉のと嫌味のオンパレード。《Xメン、96時間、グリーンランタン、アベンジャーズ、キャプテンアメリカ…etc》これでも一部ですが、これらを観ている方であればクスリとくること間違いなしです。
他にも対映画へのネタだけでなく、人物に関してのネタも満載です。
しかしながら上記に挙げたようなシリーズを観ていない等の《元ネタ》が分からない場合は観ていてもつまらない可能性があり、それほどまでに《笑えるポイント》へ密接に関連しているため鑑賞後《ネタがよく分からないず笑えなかった》と感じた方や、前評判から若干《敷居が高い》と感じる方もいるかと思います。
《映画ネタ》以外で笑えるポイントと言えば大半が《下ネタ》であるため、下ネタが笑いのツボである方には救いですが、苦手な方にとっては地獄だと思います。なので賛否が別れる作品であるとも言えますが私自身は《映画ネタ》も《下ネタ》も大好きなので大変楽しめた作品ですが、極端な作品だとも言えるので、ドハマりする方もいて、全然好きではない方もいるということにはとても頷くことができます。

一方でアクションはどうかと問われれば私は観ていてとても爽快でした。デッドプールの武器は2丁拳銃に2本の日本刀(駄洒落みたいになってしまいましたが…)で敵のドタマをぶち抜き、バッサバッサと切り刻んでいく様は最高で、かと思えば銃弾を受け風穴が空いたり骨折しまくったりしますが不死身なので元通り。R15指定なだけありグロテスクな描写はしっかりとしている部分も好感を持つことが出来ました。

また、ヒーローシリーズ第1作目特有の《ヒーローになるまでの描写》ですが、時間軸が行きつ戻りつで《現在敵を追うデッドプール》と《デッドプールになる過程のウェイドウィルソン》の2つで描かれているので戦闘中急に時が止まりデッドプールのナレーションと共に過去が描かれる。と、字面だけ見るとごちゃごちゃしている印象を受けるかもしれませんが、個人的には《時間軸の前後》が効果的に使用されているので間延びが無く非常に観やすく感じた要素にもなりましたので良かった点です。

ただの《おバカ映画》という印象をお持ちの方も多いことかと思いますが、アクションシーンにはキレや迫力もありますし、ジョークや小ネタにも余念が無く、目が離せない。観客を楽しませる情熱が感じられます。
デッドプール曰く《ラブストーリー》としての内容もアッサリですがきちんと描かれています。
盛り沢山の内容ですが、分かり易く、話の進む速度も丁度良いと感じられました。
時間があれば字幕版と吹替版両方楽しんでみても良いかもと思える作品です。

駄文失礼しました。