『溺れるナイフ』のジョージ朝倉原作。
恋愛に流されて生きてきた女が、隣に住む男に会った時に「風が吹いた」。そこからの恋愛模様を、主人公・志乃の所属する劇団の公演や、クワズイモの成長を交えながら描写する。
*ピースオブケイク=「たやすいこと」
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観た後に疾走感を感じる、ので評価はまだ正しいものではないかもしれない。この疾走感はおそらくラストの主人公と男の再会のシーンに由来するもの。
庭、クワズイモなどを使った例えとカットなど、詩的で美しいシーンも多い。劇団公演のシーンは少しわかりやすく説明的にしすぎた感は否めないが、一つのドラマとしては良いものだった。
綾野剛の演技は、その芝居臭さ、簡単に言えば「下手に見える感じ」が特殊であり、恋愛ドラマとしてストレートに表現するこの内容には揃ってなかったのではという気持ちは残る。