DolphinPaprika

私たちのハァハァのDolphinPaprikaのレビュー・感想・評価

私たちのハァハァ(2015年製作の映画)
3.5
大好きなクリープハイプのツアー千秋楽に"参戦"するため、親たちには内緒で地元・北九州から東京までの秘密の旅を決行する四人の少女、これはまるで女子高生版スタンド・バイ・ミーである(残念ながらおチンチンを蛭に吸血されて意識がぶっ飛ぶシーンはこの映画にはないのだが)。

四人の間で繰り広げられる会話にも、旅の途中で出会った人々との会話にも映画的な山や落ちがあるわけではなく、意識的にかなりナチュラルなものになっていることと、旅を記録するために四人が持ち運んでいるビデオカメラで撮影された映像が映画の大部分を占めていることからドキュメンタリー映画的な様相すら呈している。そのため、このクリープハイプ好きの四人組はこの世界のどこかに実在する子達ではないのかと僅かに錯覚してしまうのだ。途中で四人が喧嘩を始めてかなり気まずいムードになるシーンがあるのだが、これがとても演技には思えない凄まじいシーンになっている。

しかし、これは紛れもないフィクション作品。世話になった人々へのあまりにも礼節をわきまえない態度や、辿り着いたライブ会場でのマナーもへったくれもない最悪すぎる四人の行動を観たときに、「ああ〜、映画でよかったよかった〜」と思わずにはいられない。
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