高田ティガ

私たちのハァハァの高田ティガのネタバレレビュー・内容・結末

私たちのハァハァ(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

どうせ「女子高生」というセクシュアルな記号を振り回して集客する、クリシェなキラキラ青春ロードムービーだろうと期待せずに、、というか半分冷やかし目的で観に行ったら、、、、、、、、完全にグーで殴られた。

ロードムービーのくせに、序盤でチャリ捨てたときに「あ、これ本気のやつかもしれん……」と。。。。そして、池松壮亮のところで〈社会派〉映画だと確信した。

「女」の成長譚が、「性」と「金」の関係性の中でしか語られないことに、この映画は意識的であり、批判的距離を置こうとしている。題名に「ハァハァ」というセクシュアルな記号に取られかねないミスリーディングな言葉を混ぜたのは、監督の「皮肉」と読める。

樋口一葉の小説に出てくるような気丈な少女たちを思い出してしまい、どうしても「青春いいね!!!」と思えなかったのは、私が彼女たちと同じ道を通ってきた「女」だから…だろうか……。
丁寧に真心込めて撮った、大真面目で良質な映画だと思います。