カマリス

セッションのカマリスのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
『セッション(原題:WHIPLASH[むち打ち])』
『LA LA LAND』を観て、再び見たくなってしまった為2度目の視聴。

ジャズの世界だけではない。
何の分野においても恐らく存在するであろう、『向こう側』へ行ってしまった人達。
天才なのか狂気なのか全てを犠牲にして、もはや常人には理解でず、アンドリューの父親のように『向こう側』へ続く扉から覗くことしかできない。

 個人的に『向こう側』の世界は本当の意味での天才の世界ではないと思う。
 しかしそんなことは実際どうでも良く、人によって神や天国の定義が違うように彼ら2人の信じる神聖さを私達が感じてしまったことが、この映画の恐ろしさであり素晴らしさである。

 そのような、どうしようもない狂気じみた天才(と彼らは信じる)の世界の片鱗を、この映画ではアンドリューとフレッチャーが創り上げる狂気のジャズの世界で体験させてくれた。
 マイルズ・テラーとJ・K・シンモンズの鬼気迫る演技が素晴らしくより没入できた。特に、J・K・シンモンズはサム・ライミ版『スパイダーマン』のイメージが強かったがこの映画を観たら繊細で戦略家の悪名高いフレッチャーのイメージが強くなってしまった。

ほんとに、狂気じみた『向こう側』の世界の片鱗を映像として体験でき忘れられない一作になった。
カマリス

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