Anne

セッションのAnneのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
3.9
「喰うか喰われるかー。ただ、それだけだ。」
アンドリューと先生が指導している中、互いの心の内から自己をぶつけ、削ぎ落としてゆき理想とする形へと向かって行く。
その最中に、喰われて仕舞えば挫折への一途を辿り、喰いにかかっても、全てを覆されるような鍛え方。真の弱肉強食の世界と言うべきなのか。今まで世界に知れ渡り、天才と称される偉人たちも、当時はこの様な戦い方をしていたのかなと考えると、一体なにが天才と言われる要因なのか。狂気なのか、語りつげられるほどの印象的なものだったのか。分からなくなった。

本作品でのセッションシーンは、【天才という枠に入るための一線を越えるには、周りが理解できる程度のものではないんだ。】この信念が唯一、2人の共通認識としてあったからこそ成り立ったのだと思う。
それを印象付けさせる、スタジオという密閉空間、ライティング、全て黒で包む圧迫感。そして何より、オーディエンスを一切映さない、感じさせないことがインパクトがあった。
【天才】になりたい承認欲求、自己顕示欲に対して、聴衆へ目や耳を向けないギャップにこの作品の狂気じみた世界観を感じ取ったのだと思う。
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