親しくなりすぎていないカラッとした性格の女友達みたいな映画
主要人物であるお栄と鉄蔵の感情を、言葉だけでなく表情の変化すら極力使わず、演出で表現している。お栄は基本的に無表情だけどそれが作為的になりすぎてはいない。
お栄役の杏がナレーションをやっていて、場面転換も前のシーンの余韻があまり残らないサバサバした感じがするので、この映画自体がお栄っぽい感じがするのも良い。
意味は間違っているかもしれないけど「諸行無常」や「ハードボイルド」という言葉がこの映画にハマる。
お栄と鉄蔵の目がどこかシシガミ様っぽかったり妖怪の演出があるので、もののけ姫を強く連想した。
エンターテイメント性はかなり薄いけど、何か爽やかなものが心に残る。
バケモノの子とこの映画が公開された年に水木しげるが亡くなったのは色々考えてしまう。
主題歌が椎名林檎だというのも良い! 格好よさを前面に出した女性ロッカーって彼女と土屋アンナ位しか思い浮かばない。そういう現状を考えるとこの映画の存在意義が上がる。
格好良い人の人生の1ページをちょうど良い距離感で見たなぁ…
また見ると思う。