Nodoka

十字架のNodokaのネタバレレビュー・内容・結末

十字架(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

小出くんが制服着てて、えっ高校生役?と思ったら、まさかの中学生だった。
さすがにもう学生役は無理があると思う。他の子たちが歳相応なだけに、小出くんと木村文乃ちゃん、2人ともやたらと浮いて見えた。中学校時代くらい、中学生の役者使えばよかったのに…。


内容は、いじめのシーンが本当に容赦なくて、見ていてキツかった。

いじめる人間は総じてクズ。
いじめの存在を知ってたのに、やんわり注意するだけで、被害者が死んだ途端にクラスメイトを怒る先生もクズ。
クラスメイトを見世物のように追いかけ回すマスコミもクズ。
見ていて胸糞悪かった。

被害者が亡くなった直後は、周囲も罪の意識があるけれど、亡くなって1年経ってしまえば過去の出来事として忘れてしまう人が多いんだなと思った。被害者側はずっとそこで時間が止まったままなのに、周りはどんどん大人になっていく、というのが悲しかった。

いじめられてることをせめて親に言えていたら、と思ったけど、きっと親を悲しませたくない、心配させたくないって気持ちの方が強くて言い出せない子が多いんだろうね。何も死ぬことないのにって思うけど、死ぬことよりも生きてくことの方が辛くなってしまうほど、追い込まれていたんだなと思うと悲しい。

大人になってから振り返ると中学生って、ほんの一瞬、たった3年間なんだけど、その当時は中学という世界が全てで、そこでつまずいてしまうとやり直すのが難しいんだよね。


私にも保育園から中学校まで一緒だった幼なじみがいて、その子が中学校で不登校になってしまいました。その子とは仲が良くて、小学校のときはしょっちゅう遊んでました。親友でいようねって約束しました。でも中学校入ってクラスが離れて、部活もバラバラになってから、だんだんと遊ばなくなりました。その子は中1の夏休み以降から学校に来なくなりました。それからずっと会ってません。

不登校になった理由は、クラスと部活に馴染めなかったと親伝いに聞きましたが、本人からは何も聞いていません。あの当時、メールしたり電話したりして話聞くこともできたのに、学校帰りに会いに行くこともできたのに、私はそれをしませんでした。
親友でいようねって約束したのに、私は何もできませんでした。
もしあの時、私が彼女の力になれていたら、もっと違う未来があったのかもしれないと思うことがあります。

彼女は自殺していないし、一方的に親友と言われた小出くんとは少し立場が違うけれど、それでも助けてあげられなかった後悔はすごくよく分かるし、十字架というタイトルがすごく心にきました。

とても考えさせられる作品でした。
Nodoka

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