TaroYamada

壊れた心のTaroYamadaのレビュー・感想・評価

壊れた心(2014年製作の映画)
1.5
東京国際映画祭コンペティション部門招待作品、TOHOシネマズ六本木スクリーン7で見る
642席に7〜8分の入り、上映前後に制作陣の舞台挨拶とQ&Aが有った

本編73分だが非常に長く感じ、私には合わなかった、上映中に退席する方も見かけられた
私は勿体無いので我慢したが…

フィリピンのスラム街でのオールロケ作品、ゲリラ撮影状態の中、人々の生活の中で俳優が動き、イメージの積み重ねで進行する
基本的に男女2人の逃亡劇というストーリーは存在するが、台詞はほぼ無し、有ってもストーリーに関連したものでは無い

監督はその様な枠組みを破壊して撮影していると言い、基本的ストーリーボードは有っても俳優にイメージを伝え、即興的に撮影していた様で、本作も撮影期間は4日間との事
音楽が台詞のほぼ無い本作には重要な役割を占めており、劇中様々な音楽が常に流れていた

クリストファー・ドイルのカメラの動きが激しく見ていて疲れるが、汚い画面でも綺麗に見える不思議
また劇中、浅野忠信の着けているギブスに”Go Pro”の様な小型デジカメを装着し、自撮りさせてるカット多数
面白い試みだとは思うが、それが成功してるかどうかはまた別の話
撮影してる様が見ていて分かるので、意図を考えてしまうと作品世界に没入出来ない気が…

この様な独自性のある、劇構成を無視した様な作品を見る度に思う事は、
独創性あふれる、オンリーワンな作品か意識して作る、過去の名作を下敷きとした作品かという事
本作は前者では無いと思う
鮮烈なイメージも無かったし、見た事もないというカットも無かった