やまだ

エレファント・ソングのやまだのレビュー・感想・評価

エレファント・ソング(2014年製作の映画)
4.2
サスペンスというより完全に愛の物語

断片に語られているそれぞれの愛の形が最後に見事に組み合わされる
作品の全貌が見えたとき、人と人の関係はとても複雑で、その数の分だけ形が在るのだと感じさせられる

医者が「彼の名前はマイケルだ」と訂正したシーンと、マイケルが本当の意味で決意した時に呼応するように映されていく病院の映像が印象深い。
愛に焦がれたマイケルにとって病院のコミュニティーもまた家族の様な存在だったのだとわかる。

愛された経験がない者は愛し方を知らない、だからマイケルにとって愛するとは自らを差し出す事しかない。それを否定された彼の決断は自分の世界に対する最後の愛への問いかけだったのではないかと思う。
この映画は心に何かしら不安定なものを抱えている人間のほうが共感度がたかいのではないかな、と思います。

すごく良かった
今のところ私の中で今年トップ5に入る作品です