Auralee

ルイの9番目の人生のAuraleeのレビュー・感想・評価

ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)
4.0
ホラーの貴公子と言われるアレクサンドル・アジャ監督作品だけにゾッとする場面が多々あります。それでスリラーなのかなと思いながら見ていると徐々にミステリに変わり、最後には涙腺がガバガバになりました。
ネタバレはしない方がいいけど、勘のいい人は序盤で何となく分かってしまうと思う。でもこの作品のキモはそこじゃなく、ルイの9番目の人生について。ラスト十分、エキセントリックな少年の心の内を理解した時、ぐーっと物語が収束していく。

とにかくキャスティングが秀逸で、ママはサラ・ガドンしかあり得ないよなとかアーロン・ポールはブレイキング・バッドのジェシー以降で最高の役だったんじゃないかとすら思った。そして脚本はマックス・ミンゲラなんですね。いい俳優さんだとは思っていたけど脚本もこなすんだ〜とよく見たら、お父上がアンソニー・ミンゲラだった。納得。(元々は原作を読んで映画化したいと思ったのはお父さんだったそうで)

脚本が良くて音楽もハマってて、演出も編集もバランスが良かったです。救いようのない話なのにラストには救いを見出せる、美しくて醜悪で、怖くて冷たいのに暖かさを感じる不思議な物語でした。
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