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トイ・ストーリー4のmineのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
3.0
ラストの終わり方に賛否別れてるみたいな意見や記事が多いけど、まずその前にキャラクターの性格変わりすぎてない?っていう違和感が全編通してあった。

時代の流れとして強くて頼もしい女性像が求められてて、ディズニーが最近そっちの流れに乗ってるのは他の映画見てても感じるけど、そこにボー・ピープをあてはめる必要はないと思う。明らかに過去作と同一人物には感じないし、それを際立たせるためなのかバズもなんだか妙に頼りないモブキャラみたいになってしまってる。

カッコイイ女性を描きたいなら新キャラでやればいいし、なんなら別の新作映画でやればいい。過去作のボー・ピープは優しい可憐な女性だったけど、その中にも芯のある強さは感じられた。それがボー・ピープの女性像としてのカッコ良さだと思う。それを今のフェミニズムに合わせたカッコ良さにしていく事は、過去のボー・ピープの女性像に対する裏切りに感じてしまう。
仮に時を経てボー・ピープが成長して変わったのなら、その過程をもっと見せてくれないと感情が追っつかない。
最後まで、これ誰なの?俺の知ってるボー・ピープじゃないわってなってしまってた。


世相に合わせて作品を現代に適応させてく事は重要だけど、過去に築いてきた軸の部分を変えてしまうのはちょっと違うなあと思う。作風が違うわけではなく、なんかトイストーリーのキャラクター達ってこんなんだっけ?みたいな絶妙な違和感。

ラストをああする事でウッディ自身の幸せのあり方が変わってきてる事がわかって、なんだかトイストーリー5や6がもう決まった上でこうなってる雰囲気も感じるのでそこに少し期待してます。

ストーリーの話をなんやかんやいったけど、映像のクオリティはマジでヤバい。

PIXAR本気過ぎるだろってくらいグラフィックスの質感は他のスタジオの比にならない。マジですごすぎ。ボー・ピープの陶器の質感とかぬいぐるみの綿や動物の毛並とかそれに対するライティングのリアルさ凄すぎる。背景の公園とか空とか雨のディテールも桁違い。
逆にここまで背景がリアルになってくるとおもちゃが動いているという非現実的な動きが浮いてきてしまうんじゃないかと思えるけど、そこは全くそんな事なくめちゃくちゃ溶け込んでる。すごい。技術と努力ハンパない。

サウンド面も言う事なし。
それぞれの足音がそれぞれのキャラクターのおもちゃの質感で表現されててめちゃくちゃ聞き心地いい。ただ映像があまりに凄すぎて音の方にあまり意識が向かなかった。でもそれがいいサウンドメイクだと思うので全く問題なしです。


これだけ技術面がしっかりしてても、見終わった後に清々しい感覚がないのはやっぱり脚本なのかなぁ。

色々思う事あったけど、シンプルに面白かった?って人に聞かれたら
普通に面白いけど、トイストーリーシリーズの中では一番面白くなかったって答えてしまう。そんな映画。
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