すとんこ

トイ・ストーリー4のすとんこのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
4.5
2D日本語吹替版にて

ウッディらの″おもちゃコミュニティ″にやって来た新しい仲間のフォーキーが、間も無く脱走!
今現在、ご主人様のボニーにもっとも必要とされている彼を連れ戻すためにウッディが四度(よたび)、外の世界へと冒険の旅に出るって話☆

おもちゃ社会における絶対的価値観、それは、
「ご主人様に見出だされ、末長く大事に遊んでもらうこと」
今回の旅でウッディは、未だご主人様に仕えたことがなく、そうなりたいと切望しているおもちゃたちに加え、新たな価値観を持ったおもちゃに出会うことになります。

かつてウッディらの仲間だったボーは、別のご主人様に引き取られ、そこでの生活を経験することによって新たな価値観を見出だします。
「ご主人様に仕えることだけが幸せではない。自分の意思で居場所を見つけるのも″アリ″じゃないか?」と。

オーナーが変わることがあっても、捨てられるという経験がないウッディ。それは彼にとって誇りであり慢心でもあった。常にご主人様に愛され、必要とされ、そうされるよう努力もしてきたという自負もある。

ウッディは久しぶりのボーとの再会によって旧交を暖めますが、価値観の違いにより衝突してしまいます。

おもちゃは子供に遊ばれるために作られたもの、ゆえに、そのために生み出された以上、おもちゃ自身がそうあるべきと思い、またそうならなければ不幸であると当然のように思い込んでいた。
そんな″おもちゃ界″の価値観、共通認識をブチ壊す新概念に戸惑うウッディ。
そして鑑賞するわたくしも戸惑う( ̄▽ ̄;)

そんなどえらいテーマを今回はぶつけてきます。
おもちゃの自由意思、産み出され自我を持ったなら自分の居場所は自分で決めていいんだと。
言ってみれば、気に入らないご主人様の元を離れて孤高に生きるおもちゃがいてもいいんだってことである。それでいいのか?
でも、奴隷に生まれたのだからオマエは一生奴隷だ!って言われたらツラいしな…ウーム。

そして今まで″ご主人様ファースト″に生きてきたウッディが出した結論は…
何がベストの答えだったのか、わたくしなりの結論が出ないまま、モヤモヤした気持ちで劇場をあとにします。
「明確な答えが出せない問題を投げ掛けてくる映画はいい映画である」と映画評論家の町山智浩氏が言っていたと思い出し、一人納得して少しだけ心の靄(もや)が晴れるわたくし。

「イエス!アイ!カナダ!!」

それにしても今回も、いいおもちゃのキャラクター、いいおもちゃの動きで楽しませてくれました。
本っ当に心から楽しませてくれ、鑑賞者に問いかけをしてくる、最高のエンターテイメント作品だなと感じられる一本(* ̄ー ̄)☆



○キャスト○
ウッディ:唐沢寿明
バズ・ライトイヤー:所ジョージ
ボー・ピープ:戸田恵子
フォーキー:竜星涼
ダッキー:松尾駿(チョコレートプラネット)
バニー:長田庄平(チョコレートプラネット)
ギャビー・ギャビー:新木優子
デューク・カブーン:森川智之
ギグル・マクディンプルズ:竹内順子
ボニー・アンダーソン:中村優月
ハーモニー:梅崎音羽
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