ベティー

ナイトクローラーのベティーのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.5
かなり気になっていた話題作。ようやく観ました。
ナイトクローラーって報道専門パパラッチのことらしいんですが、海外セレブを追いかけ回す雑魚的イメージしかなかったので、本作の裏稼業的仕事内容はものすごいギャップを感じます。こんな仕事もあるんですね。個人で事件事故のスクープを撮って売りさばくとは、本職のマスコミですら自分で取材せずtwitter上の画像をあさっている昨今にこのすばらしい報道魂をみならってほしいものですね、などと油断してみていられたのも出だしだけ。仕事に目覚めた主人公の徹底した成果主義の行き着く先にただただ唖然です。あっという間にラストまでまったく飽きることなく突き進んでしまいました。
しかし、フリーランスでの仕事というのは特有の強みがありますね。企業であれば、法に反する行為が明るみに出た場合のリスクをトータルで考えて危険な橋は渡らないわけですが、フリーの主人公にはそんな縛りは存在しない。逮捕や自分が事件の当事者になるリスクを自分が受け入れさえすればどんな企業でもとれないスクープをものにすることができる可能性がありますからね。

正直主人公の彼を完全に否定できないのが悲しい気もしました。一見するとただの異常者にしか見えませんが、仕事に置ける正義と、個人として人としての正しさみたいなものは相反することは小さなところで多々あって、決して彼を特別な人間には思えませんでした。やはり人間は仕事とは別のところで自分の存在理由のようなものを持っているべきなのかな?そうでないとどこかで道を外してしまう恐れがあるのかも。家族とか、趣味とか、わかりませんが。なかなか難しいですね。
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