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ナイトクローラーのrurのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.1
ゲスいものを期待して見に行って、期待以上にゲスいものが見れて満足した! すごく満足した!!

過去の「デイアフタートゥモロー」のレビューに今更ハートが贈られていて(そういう呼び方でいいんですかねコレ?)、「?」と思ってレビューを見返したら若い「ジェイク・ギレンホール」が出演していることでこの映画を見直してる人が案外いるな…? 誰だっけジェイク・ギレンホール? 数学大会でNY図書館で本を焼いていた息子のあいつだったかな? お。なんとなく気になっていた映画に出てるな今上映ってるじゃんこれ、ぐらいのアレでのこのこ鑑賞。先にレビューを見てるよ大丈夫問題ない。ネタバレよりも映画見ながら「これ何の話だったっけえー」って見ながら映画の主旨がつかめずに??となるほうが辛いので!

・主人公はゲス
・偶然見た事故現場の撮影風景に惹かれてニュースフィルムを販売するハイエナフリーランスカメラマンになる
・のしあがるために自作自演しさえする
・主人公は報いを受けずに終わっていく

ということだけ抑えて鑑賞。うん見ながら主人公あぶない!なんて肩入れしたりすることもせず楽に見れてイイネ! へんにおかしな主人公に肩入れしちゃうのもつらいしね!

自作自演って聞いていたほど自作自演ってわけでもなく納得できる範囲内での自作自演で、特にラストタイムのあれはなかなか捻りが効いていて、良かった。
さすがにあんなフィルム撮っていて報道された日には警察も黙ってないよなってなリアリティもあった。あと違法すれすれのフィルムがそのディレクタにとっては喉から手が出るほど欲しい理由もがっちりすぎてなかなか気が利いている。主人公に対してご都合主義な理由が邪魔にならない程度に触れられているので、気持ちよくショーが楽しめました。邪魔にならないんだよね、ほんと。警察も(この映画にとって)いい仕事してた。
ご都合主義に対してさえもストレスゼロで楽しめるクライムムービーってなかなか珍しいな!

んで、リックがなんか頼りないなー、忠誠心低いなー、無能だなー、ていうか性格もいやらしいなー、ていうかお前なにもしてなくね?!って思っていたらあの結末。主人公は報いは受けてなかったけれど、そのぶんまでリック一人でもっていっちゃった感…。映画としての善悪の報いを主人公ではなくリックに科すことでバランスとりやがった爽快感まであるぞこの野郎。
面白かった! すごく面白かった! ゲスいけど大好き!!

なんていうか映画のゲスさが良心の呵責なく楽しめるようにエンタティメントに作ってあってたいへん良かったです。あとインデペンデント系とは思えない事件映像のリアルな派手さもあって、SFXばきばき映画ではないにしろ充分な迫力もあって、なかなかのお点前でした。

ジェイク・ギレンホールの、どこか感情のない平坦さの魅力はよくわかりませんでした目ぎょろぎょろしすぎや! あとヒスパニック系がどういう人種なのか私にはよくわかりませんでした。ギレンホールはヒスパニック系の人種的特徴は備えてないのかなどうなのかな。

一番気が利いてるのはラストだった。新たな被害者の姿が映って終わるというホラー映画(ジェイソン役はジェイク・ギレンホール)みたいだった…第二第三のゴジラが云々…

PSフリーランスカメラマンの仕事っぷりは、20年ぐらい前の日本のアニメ映画「ブラックマジックM-66」まんまで、当時から彼らの仕事は変わってないんだなーと思いました。っていうかこれを機会にブラックマジックが再評価されますように!
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