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ジャスティス・リーグのSHOHEIのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.7
スーパーマンの死後、ブルース・ウェインとダイアナはさらなる脅威の襲来に備え、地球上の超人たちでチームを結成すべく奔走する。彼らの見込みは的中し、追放されていたはずのステッペンウルフが強大な力を秘めたマザーボックスを手に入れるため、ダイアナの故郷セミッシラを襲撃。攻防の末、ステッペンウルフはひとつめのマザーボックスを手にし、残りの2つを求めて姿を消すのだった。

ザック・スナイダーの降板に伴い『アベンジャーズ』を手がけたジョス・ウェドンが再撮影・編集を行った、いわゆる劇場公開版(のちにスナイダー・カットが発表)。それまで2時間半近くの大作が主だったDCEUの作風を改め、120分と比較的コンパクトな長さで軽快なノリ。正義の同盟ジャスティス・リーグの結成を描くに伴い、アクアマン、サイボーグ、フラッシュといった新キャラクターを登場させているがどう見ても紹介が駆け足。彼らは個々に枷(かせ)を持たないせいか、ブルースの誘いに乗って何の迷いもなくジャスティス・リーグに加入してしまう。ここはテンポは良くともおもしろみに欠ける。「オンリーワンが集まれば、世界も救える」という本作のキャッチコピーがあるが、このメンバーでなければ世界を救えない、という感じでもない。その要因はこの手の作品で描かれるべき、チームとしての敗北を乗り越える姿が描かれていないこと。そのために登場人物の結束感が薄いことが演出上の問題点になっている。敵役ステッペンウルフも魅力的なヴィランとは言い難い。その原因はやはりキャラクターの掘り下げ不足。『バットマンvsスーパーマン』に登場するヴィラン、ドゥームス・デイよりも強敵感が薄れているのは致命的。これは絶対的ヒーロー、スーパーマンがあまりにも強大な力を持ち過ぎているがゆえにキャラクター間のパワーバランスを上手く取れていないことが原因ではないだろうか。今後スーパーマンが作品に関わるごとにこの難題はつきまとうのでは。なんだかんだと悪い印象ばかり述べたが、軽いノリ、サクサクとしたテンポ感、お祭り映画として頭を空っぽに楽しむ分には単純に楽しめる作品。
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