AIと人間、どれほど近くても相入れることのない二つの存在。
この作品では、しかしながら、ケイレブ、エヴァ、ネイサン、キョウコという4人の登場人物によって不思議な交わりを見せていく—
無機質な建物、人間の"感情"はあくまでもAIの進化に必要な"機能"として見なされる空間。そこに流れるのはただ、計算され尽くした静謐。
閉鎖された奇妙な世界の中で、あまりにも雄大な自然が対比として描かれる。
その大自然の美しさにより、彼らの異質な空間はなお際立つ。
そして微かな不協和音を奏でる4人の関係が少しずつ形を変え、溶け出していく。
AIの進化の行く末は限りなく人間に近付くことか。それとも人間を超えていくことか。
エヴァの見つめる先には何が写るのか。
ワクワクする、未来への期待を描いたようなSF映画とは全く異なる新しい映画。
ただかなり後に残る作品。