わなつこ

アバウト・レイ 16歳の決断のわなつこのレビュー・感想・評価

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)
3.5
最近になってLGBTという言葉が浸透し、テレビとかでもゲイとかオネエとかよく聞くようになって、昔に比べて身近なものになっているけれど、やっぱり繊細なテーマでもある。『リリーのすべて』もそうだったけど、本人だけの問題では済まないし、本当に難しいテーマだと改めて思う。

トランスジェンダーの子供をもつ母親の葛藤と苦悩。今まで娘を育ててきたのに、突然失い、息子を育てることになる気持ち。"彼女"が"彼"に変わる瞬間。子供の意思を尊重、応援したいけど、心の奥では正直に向き合えない自分もいる。いつか後悔する日がくるんじゃないかという不安と期待。子供自身も、自分が思う姿と周りから見えている姿の違いに葛藤し、身近な人でさえも認めてくれないことに苛立つ。はやく本当の自分を認めてもらいたい、過去の自分を忘れてほしい、新しい環境でスタートしたくて焦り、もどかしくなる。
好きな女の子から女としてみられたときの悲しいさ…胸に刺さった。
私の身近にはLGBTの人がいないので、このようなテーマの作品に触れることで少しでも理解して気持ちを考えてみる機会って大事だなと。

エルファニングちゃんのあの透き通った表情。あゝ虜になっちゃう。
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