よしもとばななさんが死ぬほど好きだ。
彼女の描く空気観、言葉の選び方などが自分に一番しっくりくる。
彼女の本は全て読みつくしている。
その上でこの映画を見た。
原作には劣るが、安藤サクラが演じることにより、
原作に近いものにはなっていると感じる。
この本を初めて読んだときに、ハンモックが欲しくなった。
眠る場所についても、眠りについても、今まで深く考えたことはなかったが、
「眠る」という行為が、時間がどういうものなのか、今一度自分でよく考える機会になった。
眠って時間が経てば何事もなかったかのように気付けば朝になっている。
夢なのか、現実なのか。
自分の大事な事を、一番近い人に一番最初に話したいはずなのに、吐き出しちゃえばすっきりするはずなのに、なかなか言えない。
自分を一番深く知って欲しい人に自分を知ってもらうことができない。
ショックからいつまででも深い眠りに就いてしまう。
でもどんなに寝ていても彼からの電話には起きる。
必ず目が覚める。そして彼は言う。
「また寝てたんでしょう」
その言葉が好きだった。
汚らわしい不倫などではなく、どこか美しい共依存。
不思議な世界観の映画です。