坂口

ベル ある伯爵令嬢の恋の坂口のレビュー・感想・評価

ベル ある伯爵令嬢の恋(2013年製作の映画)
-
・この映画のルーツは
黒人と白人の貴族の少女が「対等」に(しかもめっちゃ笑顔で美人として)描かれた実在する18世紀の絵画
・しかも、その少女の叔父であり絵画を作成させたのは、サマーセット裁判やゾング号事件などイギリス奴隷制度廃止へのきっかけとなった判決を出した判事

この、現実にある前情報2点だけでご飯100杯食べられる級!
なのに!!!!!

①ゾング号事件の判決こそが映画のクライマックスのくせに
人種差別は「ラブロマンスの障害」レベルの扱いで
さいごまで黒人貴族主人公が所詮「名誉白人」にしか見えない(例えば黒人メイドとの対比描写の甘さは特に勿体ないと思った)
② happy endが【女の幸せは結婚】モノであり
女性は財産を所有できない=嫁は夫の所有物だったりする時代で、仮にもわずか7年前のラブストーリーのくせにジェンダー意識の掘り下げが浅すぎる(ストーリーオブマイライフ風に言うなら「『結婚は経済』問題」)
③状況や感情を台詞で説明し過ぎ。
映画なら画と音楽表現でみせないと映画でやる意味

実際絵画の黒人少女の笑顔を見れば、
時代と社会背景に対して、絶対的アウェイ主人公の孤独と、この子を取り巻いた周囲がいかに深く愛情を注いでいたのかとかとか、、、ヒューマンドラマ・歴史ミステリー・metooムービー的オイシサの宝庫なのに…
なのに、〜ある伯爵令嬢の恋〜とかいう名誉白人昼メロロマンスとして黒人女性監督に作らせるセンス😡😡😡😡😡😡😡😡😡😡😡😡😡😡
坂口

坂口