ざきさん

禁忌のざきさんのネタバレレビュー・内容・結末

禁忌(2014年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

作品全体の雰囲気が隠鬱で、物語の進展もある意味単純。しかし、見る人によっては多様に解釈することも可能な作品である。
異様な存在感で圧倒する太賀扮する少年。登場時は子どもの声のような甲高い声色をしている。そして、海辺でモーツァルト(カストラートのための作品)を歌っている。やがてサラと関係を持つと、次第に声変わりをして歌えなくなる。これが「禁忌」の意味になっていると思った。カストラートは去勢を施されていることで女性的な見た目、肌質、声質を保っているほか、性経験をしないまま生涯を閉じる。これを破ったことですべてのバランスや心的状況が変化した。あれだけ怖がっていたサラに対して最後は依存したのだから。
映画の解釈をオーディエンスに委ね過ぎてしまった感が否めない。
ざきさん

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