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アベンジャーズ/エンドゲームのTUのレビュー・感想・評価

4.8
MCUスタンプラリー②②
立川シネマシティ・シネマツー(字幕)
T.ジョイSEIBU大泉(吹替)にて。

〜開会のあいさつ

やっと現実に追いついた…という達成感がまずひと押し。

はっきり言って色々疑問に思ったところは多々ある。ファンサービスが先行して必然性が明らかにないシーンもある。しかし「細かいことは言わずとにかくお前ら感動しろ」と言わんばかりの豪快さとクオリティがそこにはあり、目ざとさや疑問の余地を置き去りにするほどの巨大なパワーを、初鑑賞時には(MCU作品を一通り見た)誰もが感じたことだろう。

今作は映画としては長尺な3時間という長丁場な作品であるが、これほど尺に対する時間を感じさせない作品が今まであっただろうか(いやない)。むしろこれだけの内容をよくぞ3時間に収めてくれたという印象の方が強く、個人的には最終決戦のパートはあと2時間くらいは観たいと思った。

〜個人賞授与式

まず全体を通してぶっちぎりで最高にいい働きをしていたキャプテンマーベル及びブリーラーソンに「超最優秀賞」を授与することにしたい。
冒頭の宇宙船救出シーン、サノス小屋に突撃するシーン、空の彼方からサノス戦艦をぶち抜くシーン、サノスにぶん殴られてもノーダメなシーン、その他諸々細かいシーン合わせても多分時間にしたら合計10分くらいなんだろうけど全シーン惚れずにはいられない少年漫画のようなカッコよさがあった。実は初鑑賞時、唯一『キャプテンマーベル』だけ観てなかったのだが鑑賞後めちゃくちゃ後悔したし同時にめちゃ観たくなった。
本当に色々あるけど特にピーターと初対面するシーンはこんな姉が欲しかった…と思わせる姉御感があって「彼女は心身ともに最強(さいつよ)でしたよ」と亡きフューリーにも伝えたい。

次点の「最優秀さりげなく最高賞」に輝いたのはアントマン及びスコットラング及びポールラッド氏。
単独作からすでに娘愛が全身から溢れて出ていたが、今作序盤の石碑の中から娘の名前を探す場面はそれを如実に表す名シーンである。石碑の中に名前があったら本当に自殺してしまうんじゃないかというくらいの差し迫った演技で娘と再開したシーンは、もうここだけで席を立ってもいいんじゃないの?ってくらいの名場面だった。
これに依らず(話が進むにつれ存在感は薄れていくが)アントマンは今作の顛末のキーパーソンであることは間違いないし、アッセンブルした時の巨大なビジュアルはまさに「最優秀さりげなく最高賞」にふさわしい。

他20部門の授与は時間の都合で省略。

〜総評

全体の構成もとてもよくできていた。
まずホークアイが娘にも弓教えてんのかいという笑いから入り、そこからの悲劇的展開。全体を通してサノスにリベンジする話かと思いきや序盤で難なく抹殺し早々の目標達成。昨今、しかもこんな大長編の最終作でやるかねというタイムトラベル展開。しかしその中で繰り広げられる笑いあり、涙ありのアンソロジーストーリー。そして全人類が待ちわびていた大集合アッセンブルシーン。この幾度となく繰り返される予想を裏切り、話をセパレートする展開力こそ3時間と言う荒波を世界中の観客を乗せても難なく乗りこなせた大きな要因であるだろう。
なにより特筆すべき点としてそれらがちゃんとこれまでの復習としての役割も果たし、もはやどれがどのストーンなのかなどとうの昔に忘れてしまった往年のファンにも懇切易しい配慮として機能していたのは見過ごすことのできない大業と言えるだろう。
そして言うまでもなく、ファン垂涎の小ネタも全体の各所に配置されているのでリピート性も高く、DVDが売れまくりなことも間違いない。

〜閉会のあいさつ

僕がMCU作品を見始めたのは些細なノリから『アイアンマン』を観たのがきっかけだが、それから毎日1、2作品をかかさず鑑賞し、10年に渡り追い続けてきた古参MCUファンに比べると光の如き速さでエンドゲームまで到達した。それ故に各キャラクターの愛着は鮮明で、今作を鑑賞してる間は走馬灯のように各作品の記憶がフラッシュバックし、おそらく記憶を巻き戻しながら見ていたMCUファンより、より悦に浸ることができていたのではないだろうか。

とにかく今作でMCUのリングを降りることとなったアイアンマン、キャプテンアメリカには心から賞賛の拍手を送りたい…。3000回×2愛してる。
願わくばトニーにはスパイダースーツのAIとしていつか戻ってきてほしいです。


最後に、ここまで共に並走してくれたMCUフリークの@kinishiki、及び映画館で横一列男8人で鑑賞するという偉業を共に成し遂げた仲間に感謝の言葉を…。
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