Chiaki

スポットライト 世紀のスクープのChiakiのレビュー・感想・評価

4.2
私たちの生活に決して欠かせないマスメディア。でもそれはネットの普及による便利さと引き換えに、莫大な量の情報から、真実を見極めるのがとても困難になりました…。事実と異なる報道に、毎日のように振り回され、本来知るべき国の社会問題や世界の実態を見過ごしてしまうこともしばしば。「メディアの情報を鵜呑みにするな」「ネットに頼り過ぎるな」このような教育も、今では当たり前です。

毎日の生活には欠かせないものなのに、マスメディアに対する国民のイメージは圧倒的にネガティブのように感じるし、それはそれで仕方ない事だと思います。しかし、この映画を観て、ジャーナリストのイメージは一変しました。

社会的タブーを打ち破るのは記者生命を脅かす行為であることは間違いありません。しかし、記者たちはそれを恐れることなく、真実にせまっていきます。そして次々と明かされる驚くべき最低最悪な行為。その具体的な悪事は映像ではなく、多くは人の言葉で語られていて、最初ははっきりと理解するのに時間がかかりました。しかしそんな行為を容易くイメージできる方がおかしい訳で、考えられない、まさか…という証言が、当時の被害者から語られるのです。そんな被害者の話を、真剣な眼差しで聞く記者たち。鑑賞後に舞台挨拶で壇上したサーシャ・ファイファー役のレイチェル・マクアダムスが「これは声なき者の代わりに自分が立ち上がるという作品。重要な映画で、何度でも語り、伝えるべき物語。」と語っていて、その言葉はただの女優としての言葉ではなく、レイチェル自身の正義がこの事件の卑劣さを訴えた力強い"当事者の言葉"でした。
レイチェルだけでなく、チーム全員の演技が光っていて、本人と実際に会い、何度もやり取りを交わしたという彼らだからこそ出せるリアリティではもちろんあるけど、演技の枠を超えて、本当の正義を見せてくれたように感じました。

とにかくスクープを撮りたいだけの無茶苦茶な報道もたくさんあるけど、情熱を持って私たちに真実を伝えようとしているジャーナリストも少なからずいると思いました。
そしてこれを機にメディアと改めて向き合う必要があるなと…。新聞を読む。政治用語や経済用語を勉強する。自分自身に、その情報が嘘か本当かを見抜く力をつけたいです。

少し堅苦しいレビューになってしまいましたが、映画としてもちろん楽しめました。
個人的にはカトリックの人たちにとって教会というものがどれほど絶対的なものなのか、また宗教に馴染みがなかったので、その辺りを知れば知るほど面白く感じられる内容でした。
更に大好きな豪華俳優陣が、真実を伝えるために闘う姿がかっこよすぎるのです。あんなに活気溢れる若々しいラファロを見られて、あんなオヤジキャラが、まるで少年のようで…。益々好きになる!!もう感無量です!!笑


そして舞台挨拶で拝むことができた生レイチェル…!!!
美しすぎる…美しすぎてため息をつくのも忘れてしまいました。アラフォーとは思えないほど表情豊かで、愛らしい笑顔が太陽より眩しくて、凛とした立ち振る舞いは大人の女性の代表。何と言っても「きみに読む物語」のアリーそのまま!!!もう大好きレイチェル!!!大好き!!!!

結局いつもと同じ感じのレビューに…。笑
ですが自分にとって特別な映画となりました!オスカーW受賞、本当におめでとうございます!!(^^)
Chiaki

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