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心が叫びたがってるんだ。の文学したいのレビュー・感想・評価

心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)
3.0
録画視聴。

話せなくなった少女がミュージカルをして再起する という設定ありきで物語を作っていくと、こういう展開が次々と出来上がるのか。
たしかに学校って「ふれ交」のような謎イベントがあったりするものだけれども、それにしたって、設定のための脚本というか、様々なことに必然性がない気がする。
ふれ交然り、実行委員の選出然り、ミュージカル然り……。
主人公が自ら望んでミュージカルを、舞台に立つことを行うわけだけれども、そこに至るまでは全て受動的な流れだし、そもそも最終的に彼女を奮い立たせるのは片思いの「王子様」の方だ。自分自身ではない。
勝手にこじらせて殻に閉じこもって、周りを巻き込んで、周りに助けられて「呪い」を解く。普通ならこの流れが許されるのは昔話のお姫様くらいで、でも順ちゃんはお姫様ではなくお城に憧れるただの少女。ただの迷惑です……。

こういう感じで主人公こじらせてる迷惑な子だなぁとしか思えなかったので、わたしには青春の叫びが届きませんでした。
わたしがあのクラスの一員だったらグレて、文句言いながら準備してる気がする。

あと、父親の秘密を知ってしまったことが発端だったので、物語としてそこを後で触れてほしかった。お母さんがぼやくとか、昔のいい思い出を回想するとか。
「お城」で順ちゃんが拓実くんに怒鳴る内容も、恋愛関係のことしか話さなくって「いやもっとあるだろ!?」と思った。拓実くんに言うという体で、観客に心の内をぶちまけてほしかった。父母の愚痴とか近所の愚痴とか、ねぇあるよねぇ。

恋愛のごたごた&意外性は岡田麿里さんらしいと思う。あ、こいつらがくっつくのかぁ……
でも順ちゃんと拓実くんがくっつくのはそれはキャラクターを無視したご都合主義なので、むしろ誰もくっつかない方がよかry

これを実写にされたらたぶん5分も見てられなかった自信があるので、長尺にしても視聴に耐えられるアニメってすごいなと思いました。
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