やっく

心が叫びたがってるんだ。のやっくのレビュー・感想・評価

心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)
4.5
2015.09.04 都内某所での試写会にて。
先行で見させていただきました。

あの花スタッフの最新作という事で泣くことを覚悟して行きました 笑

ストーリ展開としては、
幼少期に抱えたトラウマを、高校生になってクラスメイトの助けを得ながら克服していく青春群像劇。という良くも悪くも分かりやすい展開でした。

トラウマを植え付ける、幼少期から物語は始まりますが、その展開はどうなのだろうかと思わせる形で始まり、自分の期待値はそこまで上がってきませんでした。
ですが、舞台が高校生に移ってから、高校生の描写がとてもリアルなことに驚きました。
高校生特有の、何かをまじめにやろうとする人を非難して、「そんなのめんどくせーよ」というスタンスのグループが中心となっている典型的なクラスの形。
そこに破天荒?な担任がメスを入れる。
よくあるストーリー展開ですが、要所要所では今まであまり見たことのない展開にもっていってくれたので、とても引き込まれるものがありました。

また、高校生が抱える(かつて自分が抱えていた)悩みや葛藤、恋心など、そういったものたちを上手く、フィクションに絡めていたと思います。
周りからの支えを受けながら、必死に大人になっていく主人公たちに心を打たれ、初めはそこまではいりこめなかった自分も気づけば終始涙ぐみ、終盤は泣きっぱなしになってしまいました。。。
主要メンバー4人とその周りの何人かのそれぞれが抱える悩みやトラウマを若干尺の足りない部分を感じさせながらもここまできれいにまとめあげるのは至難の技だったのでは?と思います。

アニメ映画だからできる、リアリティと、アニメ映画でしかできないフィクションの融合はとても素晴らしかったです。

あまりほめすぎるのもアレなので、少しマイナス面も書きます。
どの映画にも言えることだと思いますが、
2時間という制約なので、キャラ1人1人に対するバックボーンの説明が不足していたように感じます。
キャラ同士の関係性が、1言の説明で終ってしまっていて、若干物足りない感じがありました。
もう少し、4人の絡みや、他の人間との関係性を見たかったです。
アニメ映画に致命的な作画の、ん?と思わせる部分もまだありました。スタッフさんの話では、まだ制作陣は修正していると言っていたので、どこまで修正されているか気になるところでもあります。

公開されたら、もう1度見に行きたいと思います。
長くなるので終わりにします。
素敵な映画でした。友人・恋人などと行くことをお勧めします。
小さなお子さんには、どうかな。面白いとは思いますが、すこし複雑な心境になりそうです。
現役高校生よりは、少し大人になって、高校時代を忘れかけている年代の人に見てほしいです。
やっく

やっく