心に届きすぎた。
僕は言葉を失うべき人間だ。
わかってる、わかっている。
だからと言って、
こんな風にはならないと。
そして、
救う側にもなれないと。
きっと、だからこそ、心に届きすぎてしまうものがあった。
心に届きすぎてしまうものが。
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最初に言っておくと乃木坂は意外と良いかなと錯覚におちいりそうになるが、もっとEDで流してほしい曲があるだろ。たくさん。
大人の事情に負けたのだろうけれど気に食わない唯一と言っていい点である。
さて、見ているといろんなものを思い出す。感傷的な自分のものは置いておいて、たとえば坂上くんがジンタンであるような少し何かの匂いがするのだ。たとえば僕ら世代で演劇と言われればCLANNADを思い出す。学園行事を皆で成功に導くのは、とらドラのクリスマス。全部、僕らが生きた高校生活だ。それが全て思い出させられる。それを見ていた頃の自分や、それを見ていた頃の環境や、そして今生きている僕のこと。……って結局自分のことかい。
実際、監督も脚本もキャラデザ(兼作画監督)のスタッフ陣は、あの花だけではなくとらドラのスタッフでもある。そりゃ素晴らしいに決まっている。
泣けるかと問われれば、なんとも言えない。僕は泣きまくっていたけれど、あの花なんかに比べれば泣かせにきてはいない。ただただ現実の見えにくい残酷さや辛い部分を丁寧に描いている。特に言葉に対しては今回大きな題材となっているので、言葉に関して思うところのある人の心には響くだろう。僕のような人にも、たとえば君のような人にも、答えにはならないかもしれないけれど、そっと心に届くものが……