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日本のいちばん長い日のnanahatiのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
3.8
2回目の鑑賞。岡本版も素晴らしいが、なんかこっちの方が好き。組閣から始まり、鈴木と天皇の関係や当時の戦争指導者、内閣や会議のあり方そのものが興味深い。本木雅弘の昭和天皇が凄いが、嫉妬深い、プライド高い東条英機役も素晴らしい。中盤、陸軍の司令部を訪れる東条のシークエンスは絶品。天皇の名前が出たら背筋を伸ばす将校たちの、所作、振る舞いがとても良い。

あとじーさんばかり出てくるが一瞬だけ出てくる女陶芸家じゃなかった、NHK職員役の戸田恵梨香が美しい。

初見時と比べ、阿南惟幾の見方が変わった。恐らく軍略家としては、ポンコツなんだろうが。
俺も貧乏くじを引いても最後まで頑張ろう。
ただ、役所広司はどの映画でも基本同じ。

青年将校にまったく感情移入出来ない。現代の同じ世代よりよっぽどインテリなんだろうけど、自己中過ぎて話にならない。

鈴木貫太郎をはじめ、所謂上級国民が頑張る映画。それならば、指導者の決断の遅れによる死者の増加、沖縄や広島、長崎、本土空襲、満州へのソ連侵入に対してなにか言及して欲しかった。
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