日本のいちばん長い日の作品情報・感想・評価

日本のいちばん長い日2015年製作の映画)

上映日:2015年08月08日

製作国:

上映時間:136分

3.5

あらすじ

戦後70年を迎える今、伝えたい。日本の未来を信じた人々、その知られざる運命の8月15日―。太平洋戦争末期、戦況が困難を極める1945年7月。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、本土決戦か―。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾、結論は出ない。そうするうちに広島、長崎には原爆が投下され、事態はますます悪化する。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣(役…

戦後70年を迎える今、伝えたい。日本の未来を信じた人々、その知られざる運命の8月15日―。太平洋戦争末期、戦況が困難を極める1945年7月。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、本土決戦か―。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾、結論は出ない。そうするうちに広島、長崎には原爆が投下され、事態はますます悪化する。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣(役所広司)、国民を案ずる天皇陛下(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく鈴木貫太郎首相(山崎努)、ただ閣議を見守るしかない迫水久常書記官(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中健二少佐(松坂桃李)ら青年将校たちはクーデターを計画する。日本が破滅へと向かう中、平和への礎を築くために苦悩し、身を挺した人々の壮絶なドラマ。

「日本のいちばん長い日」に投稿された感想・評価

MaaaaaS

MaaaaaSの感想・評価

3.5
戦争を内側から見るのか外側から見るのか。

戦争を扱った映画づくりは大きく分けてこの2種類だと思う。
ノーラン師匠のダンケルクやハクソー・リッジなどの主に戦場でのドンパチを派手に描いているビックバジェット系の映画は内側から見た作品が多い。

そして今回のこの映画は思いっきり外側から見た映画。
これは恐らく、歴史的に見て日本が被爆国であり敗戦国であることが大きな要因を占めているのではないか。

"戦争"という言葉は日本人にとっては辞書から消したい程の抵抗感と拒絶感をもたらすために、日本人が戦場でドンパチやってる光景を見るのが生理的に耐えられないのではないだろうか。

そのために、この映画も戦場での描写は少なく、刻一刻と変わっていく戦況に対して翻弄されつつも自分の信念や野心を失わないように奮闘する日本人を描いている。

軍人にとっては銃弾が飛び交う戦場よりも情報や思惑が飛び交う会議室こそがリアルな戦場のように感じた。

実際、青年将校が己の野心のために本来味方であるはずの仲間を殺してしまったシーンは、全てが悪い方向へと急速に転げ落ちていくことの象徴であったように思えた。

「彼らは一体誰と戦っているのだろうか…」

観ていてそんな気持ちになったが、この出来事が事実を基に造られているという事実こそがなんとも虚しい気持ちにさせる。
いとそ

いとその感想・評価

1.7
岡本喜八版と全く別物と割り切っても絶望的につまらない。阿南のパートはともかく、松坂桃李の扱いが半端過ぎる。映画の尺に合わせるようにあそこで急に死なれたって、こっちは完全に置いてけぼりですよ。何よりあの狂気が足りない、狂気が!!
show

showの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルは「いちばん長い日」だけど、映画は1945年4月の鈴木貫太郎内閣成立から描かれる。原作はそんなだっけ?と思って読み直してみたら、やっぱりこの映画独自のプロローグだった。まあ、それ自体は親切だし、8月14日から15日の「長い日」を描くために必要だ、というのならばそうだろうと思う。

で、ついでに原作をパラパラと読み直してみたら、けっこう色々再解釈されていることがわかってきた。阿南惟幾と家族の関係やら、鈴木貫太郎と家族の関係は、原作にはない。ということは、この映画は「家族」というファクターを入れることで、映画前作との違いを出し、かつ現代的な問題提起をしようとしているのかもしれない。でもそれはいかにも中途半端という印象を持った。それならば、映画後半の主人公たる畑中の家族も登場させなければ、一面的ということになりかねない(畑中に家族がいたのか、知らないけれど)。途中、誰だったか忘れたが反乱軍の将校がわずかに家族の話をするシーンがあったが、阿南に比べてわずかな扱いである。あえて重臣たちの家族だけを描く意図が、どうも伝わってこなかった。有り体にいえば「ホームドラマ」ありきなのではないか、とすら思えてしまった。

阿南の人物像も、陸軍の暴発を抑える理知的・合理的人物であることを強調している印象が強い。最後まで継戦派としての態度も崩さなかったこと、国体護持を絶対的なものとしていたことへの描写が弱められているような気がした。遺書を書くシーン、名前を書き終えたところでカメラを切り替えているが、名前のさらにあとに「神州不滅を確信しつつ」と記しているところをあまり写さない、とか。別に陸軍の暴発を防ぐことと、国体護持は矛盾しないので、そのまま出したほうが、より阿南の人物像を直截に伝えた気がする。

ロケが、関西の有名な場所が多く、「お、これは神戸大学」「京都御所」という感じで楽しめてよかった。ただ皇居に甲子園ホテルは、ロイド感が強すぎて、ちょっとやりすぎじゃね?という感じもした。
このような大作を手がけられるのは、日本において原田監督しかいないと思う。

しかし脚本を書き、自ら演出をした彼としては、凡庸なエンターテインメント作品となってしまったのではないか。つまり、史実を追うが余り紙芝居のようになってしまったのは誠に残念。

最近の彼の作品は贅肉がつき、鋭さが影を落としている。阿南陸相、鈴木総理そして畑中少佐らの立場を通して敗戦の重さを再現させたが、反乱を企てた青年将校たちの自決はわかるが、それを止められず、また全てを受け止めて自害した阿南をヒーロー扱いすることには抵抗がある。

戦後、戦勝国による極東裁判において糾弾された東条元帥以下いわゆる戦犯者たちは、この作品の中でも首謀者たちであった。そこで全てが明らかになった現在、新しい視点から見つめて直した脚本にして欲しかった。

なお、昭和天皇をここまで細かく演じ切った本木は素晴らしく、これらのシーンだけはエンターテインメントというよりノンフィクションとして留めておきたい。
NuTs

NuTsの感想・評価

4.0
主に軍が描かれていたので新たに学ぶ事があった。
「戦争」を知る一つのツールとしてもいいと思う。
2回鑑賞
ako4u

ako4uの感想・評価

1.8
『おくりびと』『シコふんじゃった。』を観て、すっかり本木雅弘ファンとなった僕が
本木さんが見たくて観た映画だったんですが
ええ、期待通りでした
本木さんの昭和天皇は 本当によかった
昭和天皇の 喋り方 しぐさ
皇室の人だけが発しているえもいわれぬあの空気を、本木さん、ちゃんと発してた
本当に作り込んでくる 素晴らしい役者さんです
これ見られて すごいよかった

あと、松坂桃李も 狂信的な青年将校を 好演してます


ところで、あの玉音放送のうしろに、こんな事があったことを、恥ずかしながら 知らずにいました
庶民視点の戦争映画に比べ
この階級の人々視点から描かれる戦争の姿は珍しい気がします

長い戦争の間 常に
歴代の大臣だの将校だのが こうして戦争について討議し 日本の命運を左右してきたのでしょう
どんなに熱く議論したとて
張っているのは己の命ではなく 人の 人々の命であることの愚鈍さよ

ただ 1945年8月の 大臣 将校たちは 自分の命を賭すことになった
「一世一代の貧乏くじをひきました」
笑って言う 阿南陸軍大臣こと 役所広司が印象的でした
それまで 彼の号令ひとつで 数多の人が 死んでいったのだとしても


副題が『THE EMPEROR IN AUGUST』となっていますね

王とは民の上にのみ成り立つもの

二千万人の国民を死なせて勝ったとして
その国には一体誰がいるの
民なくして国とは何なの
なゆき

なゆきの感想・評価

3.9
後回しにすればするほど、亡くなる人が増えるって分かってて、亡くなる人の中には自分の大好きな大切な人が含まれてて、それでも死なないでなんて言えないし、引くことも出来ない立場もあるって、理解できるような出来ないような。でもそいういう時代があったのは誰も想像出来なくっても事実に変わりなくて。
好青年たちが人を殺して死んでいく、そういう時代があったんだな、と。
すんご

すんごの感想・評価

4.1
昭和20年。日本の一番長い夏。


面白い!
これぞ映画と言ったかんじ!最初から最後まで、退屈せず、観終わることができた。

この監督、毎回、専門家がたくさん出てきたり、今とは異なる時代を描くことが多いため、観客によっては何が何だかわからないシーンがたくさんあると思う。自分も時にはそんな観客の一人である。
だが、そこがいい!

置いてけぼりにされながら、ある種の臨場感、リアル感を目一杯感じることができるのである。
それだけ、普段観る映画やドラマ、小説、漫画が、視聴者・読み手にわかりやすく脚色されたフィクションであることが、わかる。フィクションの世界では、登場人物や読み手とのコミュニケーションの乖離がほぼ発生しない。
しかし、現実はそうではない。そういう意味で、この映画は現実に近い演出が特徴的である。


しかし、当時も大変だ。陸軍は面子を守りたい。天皇は早く戦争を終わらせたいが、口出しすると立憲君主制にもとる。首相は天皇の意見を尊重したいが、天皇の主張が通ると、天皇の政治席責任を連合国から問われる。
様々なしがらみがあった。

そんなお上のしがらみの被害を最も受けるのは、つねに、一般の人々である。
HRKN

HRKNの感想・評価

3.7
終戦間近の混沌とした日本の状況が良く分かるような作品。実写邦画としての完成度はかなり高い部類に入ると思う。

まず俳優陣の演技はみんな素晴らしかった。特に主演の役所広司は当時の軍人としての葛藤を良く演じられてた。本木雅弘の昭和天皇と松坂桃李の青年将校も良かった。

最近鑑賞した「検察側の罪人」でも思ったが、原田監督は人物が対面したときの緊迫感を演出するのがうまい監督だと思う。でもやっぱり章ごとにタイトル入れるスタイルはあんまり好きじゃない。

この映画は内容としてかなりドキュメンタリー映画に近いため、盛り上がりに欠けるといえばそれは正しい。しかし現実性を帯びた信憑性のある作品として、その見応えはかなりのものであった。
おもしろかった…。2回観た。エンターテインメントというより学びが多い。

自分の中の、終戦時の東京のイメージがまた更新された。
具体的には、宮中の設備、侍従職の服装、閣僚たちの生活、軍人の士気など。
終戦時の東京というとただ焼け野原のイメージが強かったから。

玉音放送を巡って、これだけのことがあったんだね。この作品を見たことで、現在wikipediaサーフィンをしまくっている。
そういう意味でも学びが多い。

映画としても非常に美しい。見て損はない。おすすめです。
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