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劇場版 シドニアの騎士のHALのレビュー・感想・評価

劇場版 シドニアの騎士(2015年製作の映画)
4.1
原作は全部読んでいるが、アニメは数年前に劇場で一回観ただけ。TVシリーズも未見だったが、今回の新作に合わせて劇場版から復習。ほとんど覚えてなかったので新鮮な気持ちで観た。

地球は既に滅亡し、最初からずーっと人類は絶滅の危機に瀕していて、播種船で宇宙を漂いながら敵との接触を免れようとするのみ。それに輪をかけて対抗戦力は28本のカビザシという、縛りプレイにも程があるという過酷すぎる世界観がメジャーなロボットアニメにバランスを取りつつも底知れない弐瓶勉作品の魅力の一旦だと思う。絶望と希望の紙一重のバランスというか、やっぱりキモは世界観だと思う。弐瓶勉ならではのシドニア建物案内のシーンも面白建築がたくさん出てきてたのしい。

ポリゴン・ピクチュアズはデイブ・フィローニの『クローンウォーズ』などにも参加していた老舗スタジオだが、この『シドニアの騎士』シリーズは設立30周年記念作品らしく気合が入っている。この後『GODZILLA 怪獣惑星』などCGアニメのトップランナーとして頭角を現していくが、個人的には同じく弐瓶勉原作の『BLAME!』の機械的世界観と人間生活の汚れが共存していく表現が好き。そうした表現ほ萌芽という部分もシドニアにはあるのだと思う。
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