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パリよ、永遠にのCOZY922のレビュー・感想・評価

パリよ、永遠に(2014年製作の映画)
3.5
ヒトラーからのパリ破壊命令に苦悩するドイツ人将校と、何とかその作戦を阻止しようとする中立国スウェーデンのパリ駐在総領事。もともとは戯曲で、この映画もほとんどがホテルの一室で繰り広げられる2人の会話劇です。

史実に基づいた話なので、観ながらパリの風情ある石畳の通りや晩秋から冬の焼き栗売りの匂いなどを思い出し、パリが戦禍に散ってしまわずに在るのは、この駆け引きがあったからなんだなあと思い、とても感慨深かったです。

映画としては、2人の心理戦と攻防はおもしろかったのですが、あえて映画にした意図が演出や音楽からはあまり感じられず、やっぱりこれは舞台でこそ その良さが出る作品なのかなと思いました。上官の命令、家族の生命、自分の良心などで気持ちが揺れ動き葛藤するドイツ人将校役の俳優の表情がリアルでとてもよかったです。機会があれば、この作品の舞台劇が見てみたいです。
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