パリよ、永遠にの作品情報・感想・評価・動画配信

「パリよ、永遠に」に投稿された感想・評価

眠くないときに観ると、プロットを分解したり、ショット分析したりで、非常に面白いということを2回目にして発見。
室内劇が故に、カメラが外に出たときのダイナミズムが強調されていたり、史実の映像挿入→モノクロ→カラー というディゾルブが上手かったりと、ショットの見応えが有りました。
弱っているときに畳み掛けるというのは、万物共通の術のようです。
そうか
こんな事実もあったのか
というのが
正直な感想だ。

ヒトラーの自殺の後のドイツ軍の
壊滅までを
誰が率いたのかなんて
想像した事もなかった。

いかにも舞台劇だが
その舞台も観てみたい。

日本の歴史も
ましてや世界の歴史も
まだまだ知らないことが多すぎる。
舞台劇でした。
こういう、事実があったのね。
東京は燃えたけど、パリは燃えなかった。
shin

shinの感想・評価

3.8
「ただちにパリを爆破せよ」
パリを敵軍に手渡すぐらいなら破壊しなければならないという敗戦を目前にとち狂ったヒトラーからの命令。恋人と別れ際のメンヘラかな?
そんな命令に従わなければ家族を殺されるコルティッツ将軍。
そんな将軍を説得するスウェーデン総領事のラウル・ノルドリンク。

今パリにエッフェル塔、ルーブル美術館、ノートルダム大聖堂、アンヴァリッド、オペラ座に光が点っているのは彼の説得があったからこそなんだね。
もし1944年に廃墟になっていたら自分は "パリ" という地名を学校で別の形で習い、色んな映画で目にすることはなかったのかもしれない。

史実としてすごく興味深い内容だった。
初めて知った内容だったし。
映画としては難易度が少し高め。ほぼ全編ホテルの一室での対話。コルティッツ将軍とノルドリンク総領事、この2人の対話がひたすらに続く。直感で頭に入ってくる会話でもない。
それでも80分で綺麗にまとめあげてくれたお陰でギリギリ集中力切らさずに観れた。
ノルドリンクについての文献はいくつかあるみたいだけど、これを活字で見るのは自分には無理な気がするからこういった映像化で戦争の片鱗を知れるのは本当にありがたい!
一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
フォルカー・シュレンドルフ監督作。

フランスで上演され人気を博したシリル・ジェリー作の戯曲「Diplomatie」を『ブリキの太鼓』(79)のドイツの鬼才:フォルカー・シュレンドルフ監督が映画化した心理ドラマで、パリの破壊命令を下されたドイツの将軍と中立国の総領事の心理的駆け引きが描かれます。

二次大戦末期の1944年、ナチス・ドイツ占領下のパリを舞台に、ヒトラー総統からパリの破壊を命じられたドイツのディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍と中立国スウェーデンの総領事であるラウル・ノルドリンクの心理的攻防を描いた密室心理劇で、コルティッツ将軍の執務室である駐留ホテルの一室において、軍人としての責務及びドイツに残した妻子のためにパリ破壊命令の遂行を優先したい将軍と、生まれ育ったパリの街並み&無実のパリ市民を救いたいスウェーデン総領事の一対一の心理的駆け引きが弛まぬ緊張の中に映し出されています。

自分の置かれた立場で物事を判断せざるを得ない将軍の頑なな心理が、総領事の“人間の良心”を訴えた語り掛けによって少しずつ変容し、やがてパリの未来を左右する決断に至ってゆく様子に胸を打たれる逸品で、二人の間で敵味方の立場を超えて育まれる信用と理解が、戦争の狂気によって忘れかけていた人本来の“人間性”の回復を象徴しています。

パリの破壊がいかにして回避されたのかを、当時鍵を握っていた二人の男の密室での会話劇で紐解いていく“歴史秘話+心理ドラマ”の秀作で、コルティッツ将軍:ニエル・アレストリュプ&ノルドリンク総領事:アンドレ・デュソリエの名優二人による対等な演技合戦も素晴らしいの一言に尽きます。
nekoneko

nekonekoの感想・評価

3.3
ウイットに富んだ一夜の外交取引?
あまり普段観ることのない映画でした

🇩🇪ドイツ軍の軍司令官VSスウェーデン領事の密室での対話による心理劇…

フィクションとはいえ実際の映像が入ったり緊張感があります

2人の「駆け引き」の場所が…ホテル🏨の
スィートルーム…
(軍司令部となった部屋のカラクリが興味深い) 

終盤のパリの朝の風景になんだかホッとします…

…もう一捻り?欲しかったような…笑
パリの壊滅を命じられた男と、パリを守りたい男の緊張感あふれる対話劇。

突如、ドイツ軍司令官の前に現れたスウェーデン総領事。その登場の仕方からしてスリリングだ。総領事が語る、厳しい警備にもかかわらず、ドイツ軍司令部である、ホテルのスイートルームに入室できたからくり。その逸話は、パリという街が、世界史に残る重要な出来事を数々と経験した場所であり、華やかな文化を生み出した都であることを思い出させるのには十分だ。

原題は「Diplomatie(外交)」。ヒトラーの命令に従うことに迷いのなかった司令官の心を、総領事は巧みな話術で懐柔していく。外交とは、まさにこのような駆け引きのことなのだと教えられる。

総領事は、無批判に命令に従うことが、どんなに大きな悲劇をもたらすかを、時に詩的に、時に鋭く、司令官に訴えていく。シュレンドルフ監督の前作「シャトーブリアンからの手紙」と共通するテーマだ。

頑なな司令官の心を揺さぶるために、総領事が引き合いに出す、旧約聖書の物語(旧約聖書は、言うまでもなく、ユダヤ人の聖典だ)。「神の命令に従うために息子を殺そうとしたアブラハムのように、理不尽な命令に従うのか」。しかし、この喩えは、誤っている。神は、アブラハムが息子を殺そうとするのを止めた。アブラハムの物語は、神への隷従を促す話ではなく、神の恩寵の物語である。ヒトラーによる、作戦上は何の意味を持たないパリ壊滅命令が、ヒトラーの恩寵から発せられたものでないことは明らかだ。

「きみの子どもたちと、夜明けのパリを眺めるために」。総領事の言葉に、パリという美しい街が守られたことが、どんなに幸運なことかを思い知らされる。

パリを救った二人の男の命を賭した決断と行動。時流に流されずに、正しく生きよと訴えている。
二人の会話がメインの心理戦

ヒトラーの命令が絶対なら
パリの運命を変えた男二人
いち麦

いち麦の感想・評価

5.0
バルコニーから微かに覗く夜明け前のパリの景色が愛おしく胸にくる。刻一刻と敗戦へ転がり始めるドイツ軍の戦況を背景にした、後のない二人の男の会話に漲る緊張感が見事。硬派な対話劇だが最初から最後まで引き込まれた。
パリ壊滅作戦の任務を追行したいパリ防衛司令官と、何としてでも食い止めたいスウェーデン総領事。大ベテラン俳優ふたりの会話劇で、結末はわかっていてもスリリングな心理戦に緊張が途切れることなく最後まで見入った。

ナチス/ホロコースト関連34
挿入されている当時の映像フィルムが、襲撃の凄惨さを物語っていた。『パリは燃えているか』も観てみたい。
>|

あなたにおすすめの記事