みはらん

怒りのみはらんのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.8
大切なものはどんどん減っていく。
ああ、そうか。本当だね。
初めは、ん?と思ったけど、確かに小さい頃に比べたら大切なものは減ってしまったかも。
大切だと思っていたものが実はそうでもなかったことに気がつく、のほうが正しい気もするけれど。

信じていたものから裏切られたことへの怒り。
あるいは、信じたかったけど信じきれなかったときの自分への怒り。
信じる、信じないなんて、自分の気持ちの持ちようだから、信じていれば、、、信じていなければ、、、感じなかったであろう怒り。
なんて書くと軽い感情に聞こえるけど、そんなときの怒りが1番強くて恐ろしい怒りなのかもしれない。

全員が本当に存在していそうで、そして今テレビでやっている事件の裏にもきっとこんな人たちが本当に存在しているのか。と、思うとやりきれない気持ち。

特にタツヤ。佐久本くん。彼は存在感がなさそうで、でもクライマックスへ向かうと同時に存在感がどんどんと増していって。でも終始スクリーンから漂うあの普通の少年の感じがなんともまあ、すごい。オーラがないんだけどあるのだ。彼は何者?
彼の気持ちを思うとやるせなくて。すずちゃんの叫び声はいたたまれない気持ちにさせられた。

でもなぜだろう、なんだか救いがあるような感じもした。

人を信じるって難しいよな。自分のことだって信じるの簡単ではないのにさ。他人を信じるなんて、難しいです。
みはらん

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