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怒りのmmkのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.5
自分は最近怒りをそれほどまで感じる事は無くなってて、結局怒りの根本にあるのは悲しみや恐れだっりするのも最近になって理解してきた。

だけど、どうしようもない理不尽な目に遭った時はどうしたらいいのだろう。自分には変えられない大きな何かに翻弄されたとしたら。自分の計り知れない所で誰かの軽はずみな悪戯が誰かを傷付けることになったら。(バッハのあの曲が流れていた場面だったり、沖縄の抱える大きな闇だったり、根深い差別だったり)。
他人から見たら大したことなくても自分にとっては最大の侮蔑になることだってある。最近社会全体に蔓延してる苛立ちみたいな感情や精神的余裕の無さがそのままま具現化されてるように感じられる場面もあった。

めちゃめちゃに傷付けられて、二度と戻らない大切なものを失って、変えられない何かを前にして、自分の無力さを呪う時、人はどうしようもない怒りを感じるしか無いのかもしれない。ラストシーンを見ていてそんなことを思った。

吐き気を催すような怒りと、やるせない悲しみと、最後に、生きていくこの先を照らすような希望が感じられた作品でした。

綺麗に起承転結で出来てるなと思いました。交わる事のない3つのストーリーが巧みに絡み合って見事でした。それぞれの話単独でも良いショートムービーになるだろうと思います。例のアレが出てくるまで、ギリギリまでほんとハラハラされられました。ネタバレ厳禁にすべきの映画です。
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