芦屋紀文

怒りの芦屋紀文のレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.0
やっと観れました。

なんだろう。タイトルは怒りなんだけど、全体を通して伝わってきたのは、悲しみ。

登場人物たちの悲しみが痛いほど伝わってきた映画でした。
怒りと悲しみって紙一重なんですかね。

信じていた人に裏切られてしまった絶望的な悲しみ、信じ続けることができなかった悲しみ。それが怒りへと変わる。

犯人も怒りというより、悲しみを抱えてずっと生きてきたんだなあという印象。
犯人は他人を見下すことで自分を保ってきた。けれど見下され、同情され、どこにも逃げ場がなくなった悲しみが、殺意に変わってしまう。
優しく接したつもりでも、犯人にとってそれは同情でしかなく、同情は悪意でしかなかったんですね。

とても胸が締め付けられました。
142分が本当にあっという間で、全然だれずに観れました。
広瀬すずさんみたいに、むちゃくちゃに大声で叫びたくなりました。

人を信頼するって本当に難しいですね。
もし裏切られたら。もし嘘をつかれていたら。そんな疑心暗鬼が残念ながら世界中に溢れていて、正直者がバカを見るというのが当たり前になっている世の中だけど、たった一人でも心から信頼できる人がいれば、そんな生きにくい世の中でも、怒りや悲しみに苛まされても、生きていけるのかな。綺麗ごとかな。

センチメンタルになってしまいました。
上手くまとめられません。笑
芦屋紀文

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