あずき最中

シン・ゴジラのあずき最中のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.5
パニック映画はあまり好きではないのだが、この映画は政治的な要素が多く、私としては好みの映画だった。
原爆や水爆という既存の問題から、3.11を通じた、原子力発電の神話崩壊を経たからこそ描けるものであったと思う。庵野監督について詳しくない私だが、エヴァを彷彿とさせる演出の数々も、本作の面白さと言える。
ゴジラ、未知の災害に対する、都市の脆弱性、政府の無責任な対応は、日本に住む人だからこそ共感できることだと思うので、海外ではあまりウケないかもしれない。
蒲田くんと呼ばれる、幼生ゴジラの描写がかなりグロテスクで、見ていて辛かったし、怒り狂い破壊光線を撒き散らすゴジラには絶望という言葉がふさわしい。
序盤の一般人の棒読み声や一部のCGに作り物っぽさを感じた(ある意味、昔の特撮っぽい?)。
泉修一(松尾諭)がやたらニヒルでかっこ良く、見終わったあとも官僚ごっこを脳内で繰り広げてしまった。石原さとみは演技こそあれだが、華を添えてくれて良かったと思う。
無人在来線爆弾など、妙に面白い場面もあり、政治が苦手でない人であれは見やすい映画だろう。
あずき最中

あずき最中