よもぎ

シン・ゴジラのよもぎのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
2.2
良く言えば万人受けし易く、悪く言えば無難。
前半は退屈で、公共場所で苛立っている自分に驚いた。半額ほど返して欲しくなったので計算上の助長だとしても受け入れ難い。
戦闘シーンの迫力は良かったが、脚本はいわゆる厨二要素を徹底追求して組み合わせた実写といった印象。馬鹿で単純明快を好む私には台詞が合わなかった。あんなに誰彼「長い説明文面」で喋らない。まして集団内で長々と独り言ちない。怖い。それも踏まえ随所に感じたアニメ的表現はハマってない。
ゴジラの設定、舞台、登場人物、世相、それぞれの要素がうまく融けておらず大雑把な溶接にあちこち躓いた気分。
面白くは観られるが、人間をどう描きたいのか、ゴジラをどう描きたいのか、せめてどちらかに絞られていたら気持ちの置き場所を定めて楽しむ事もできただろう。ブレーキをかけて全てに無慈悲な仕上がりだがそれが狙いか?
「ゴジラである必要性が無い。オリジナルでやれ」という身内の感想が至言。肯定派はゴジラが暴れていればそれで胸熱との事だが、話題性から義務感で観た自分には可もなく不可もなく、心に残ったのは微細な不純物の澱みたいな物。それにしてもゴジラが気の毒でならなかった。
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