Airi

シン・ゴジラのAiriのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5
今頃感ありありですけど、この映画、久々に邦画ハマったという感じ。
計3回鑑賞させてもらいました。そこでこのシン・ゴジラがここまでヒットし、なにを伝えたかったのか少しですが分かったように思えます。
この映画、多くの人がゴジラによって亡くなっているのは一目で分かります。しかし、誰一人として血を流している場面はありません。いってみればこの世界は無感情なのです。全てが平らで恋愛もなければ家族の話もほとんどない。ただただゴジラの話なのです。それ以外はなにも存在しません。しかし、現代の日本の政治の問題、原発問題などが作品に中に埋め込まれているのが分かります。2、3回と見直していくうちにその問題ははっきりと見えて来るように感じました。

そして、2時間しっかりと作品の世界に疲れずのめり込めるのは観客が現代の日本と作中のゴジラのいる日本は完璧に違うものだと思っているからだと感じた。それは先に書いた誰も傷ついた描写がないため、感情移入しない。この映画全く恋愛の話などないく、家族の絆の話などもほぼほぼない。感情移入できるような場面は全てカットされているのだ。ということは、感情移入もクソもない。ただただそれは映画の中の話で終わるのだ。そしてもう一つは、緊張感の中に紛れ込む笑い。安田の言う「ごめんなさい」という台詞も普通だったらなにが面白いかも分からない。でも、この映画の雰囲気と役者の演技により、空気を入れ替えている。いってみれば少し笑える場面は換気地点なのだ。ずっーと悪く、重い空気のままでは全ての観客にはウケない。だからといって、ふざけ過ぎるわけにはいかない。そこの微調整は俳優陣にかかっていたように思える。

全てにおいて、久々にこんなに良い邦画を見たと感じた。これせゴジラのブームが再発したのならばその裏に隠されている社会問題にも気づいてもらいたい。シン・ゴジラは今までのゴジラをなかったことにして0から作り出された新たなゴジラだと感じた。

文体が統一されてなくてすみません。
Airi

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