1960年代のパリ,ダウン症の息子を溺愛する母。現代のモントリオール,DJとしての地位を確立した40代の男性とその前妻。2つの時代の2つの物語から成るお話。
うーん、正直な感想としては、輪廻転生というにはちょっと唐突じゃないかなと思う。信じてはいないけど、そういうスピリッチュアルな話は映画や小説の素材としては嫌いじゃない。というか、むしろ好物のひとつ。でも、つなぎが胡散臭すぎてあんまりかと、、。
パリの裏通りや年代を感じる古びた建物が醸し出す雰囲気と音楽は良かったし、テーマもいいのに、もうちょっと違和感無く上手に繋げなかったのかなぁ。思うに、テーマの割りに軽くて不自然に丸く収めた感がある最後の持っていきかたが説得力を落としてしまってるんじゃないだろうか。輪廻転生にふさわしい、はかりしれない奥行きを感じさせる重い結びのほうがしっくりきた気がします。
自分の愛の記憶にどう折り合いをつけるのかというテーマはわかるけど、私はノレなかった、残念。でも、好きな人はきっとすごく好きだと思う。執着という形の愛情表現やヴァネッサ・パラディの演技はとても良かっただけに個人的にとても惜しい作品。