ゆっぴ

恋人たちのゆっぴのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.7
街行く一人一人に、当たり前だけれども人生があって物語がある。
その内の3つを、覗かせてもらった気分。

人間の汚いところ、嫌なところをこれでもか!と映している。けれど、紛れも無いリアルさ。
物やゴミだらけの汚い部屋、貧しさ、抜け殻のような部屋。捲し立てるヒステリーな女、無関心で相手の心情など御構い無しな人たち。観ててずっと思ってた。
こんな人間になりたくない…。
けれど、身に覚えがあり過ぎる行動の数々故、目を背きたくなった。

常に三人に対して腹を向き合って話す人はいない。

とくに奥さんが通り魔に殺された夫の世の中に対する不条理さへの足掻きが、もう昔の自分を見ているみたいで苦しかった…。すごく精神的に参っていた時があり、自分に吸われる酸素すらも勿体無いと思っていました。(今考えるとよく回復できたな…)
昔よりも客観的に落ち着いて観れるようになったのは、自分も三人と同じで一つ乗り越えたってことなんだろうなぁ。
その時に、軽く手を差し伸べてくれるような、言葉をくれる人。
多分それが出来る人は、痛みを知っているんだろう。なぜなら、友人が苦しかったときに自分も言ったのを思い出したから。そしてそれより前、自分が苦しかったときに人が言ってくれたことを思い出したから。
こういう人と、何気ない一言に出会えることが、人生っていいかもって思える瞬間なんだろうな。

人は多分、どん底まで落ちるだけ落ちると、何か吹っ切れたり未来や周りに対して何か見方が変わったり、いい方向に向くんだろう。
そして、またどん底まで落とされたり、昇らせられたり。くり返し。
それでも人は生きていく、という言葉通りでした。