恋人たちの作品情報・感想・評価

恋人たち2015年製作の映画)

上映日:2015年11月14日

製作国:

上映時間:140分

3.9

あらすじ

「恋人たち」に投稿された感想・評価

haru

haruの感想・評価

3.5
生々しすぎて、あまり好きなテイストの映画ではなかったのだけど、長尺にも関わらず最後までぐいぐいと観てしまった。

日々の小さな積み重ね、誰かの些細な一言、自分の胸だけに抱えてきた何か…。拒絶したり、受け入れたり、たまに吐き出して、日常は続いていく。
失ったり、手に入れながら…。
モヤモヤした日常を変えたくて、ロケットぶっ飛ばしたら、腕もぶっ飛んじゃったけど、傷ついた気持ちに寄り添える人になれたように。

最後、何かを手に入れたであろう登場人物たちは、最初よりも少しカッコよく見えて、私も最初より少しこの映画が好きになりました。
うまくいくことばかりじゃない。
何でもかんでも本音を言えば誰か分かってくれるから、といった考えは傲慢でしかない。
自分らしく生きたいと願うことが誰かとの対話を削いでいるかもしれない。
大切な人を大切にできていないかもしれない。
自分はこの場所で何を一番大事にしたいだろう。東京に来て、二十歳を過ぎて、再来年には大学を卒業か。
飲み込みたくもない誰かの意見を飲んだり、押し殺したくもない自身の感情を殺して誰かや何かに迎合したりするような、そんな自分にはなっていたくないな。いざというときにちゃんと自分で戦える自分でいたいな。登場人物たちがとてもたくましく思えた。
「それでも人は生きていく。」
そのへんにある人生を切り取ったほんの一部。ザ日本映画てかんじ。好みじゃなかった。
記録

自分には全く関係無いようで、登場人物の誰かしらに共感する部分がある。
鑑賞した人なら感じる何かがある。
キラキラしてない世の中のリアルを描いた作品

このレビューはネタバレを含みます

やなやつだと思ってたけど、繋がらない電話越しに告白する四ノ宮がちょっと可愛かった
微睡

微睡の感想・評価

2.0
苦手な喋り方の人ばっかり。勘違いブスは痛々しくて見ていられないし、ネット弁慶みたいな根暗男には共感できないし……不快感。しかしラスト5分、1歩踏み出した彼らを気持ち悪いとは思わなかった。(弁護士の彼はちゃんと仕事しないから嫌い)
チェルフィッチュという劇団が「日常所作を誇張しているうなしていないような表現」を取り入れているのだけれど、既視感の正体はそれ。私自身も他人から見るとああいう気持ち悪さがあるのかもしれない。
途中、ダサいカメラワークにぎょっとした。
Ryo

Ryoの感想・評価

4.4
ワークショップから造られた映画であり、画面に現れる8割がアマチュアの俳優である、という事実から、《ハッシュ!》や《ぐるりのこと。》といった傑作を造ってきた橋口亮輔監督が7年ぶりに撮った長篇で何をしようとしたのかがある程度推し量れる。
彼は巧い映画が撮りたかったのではない。橋口監督は、いまこの国で普通に生きている人を描くことで、この社会のありようを描こうとした。そしてそれは、残酷なまでに成功している。
無差別殺人犯に妻を殺され、裁判のためにギリギリの生活を送りながら、市役所の窓口では邪険に扱われるアツシ。日常の空虚さに耐えかね、非日常の恋に賭けようとする瞳子。現代社会においてそれなりの成功を収めていながら、ほんとうに恋しい人には声が届かない四ノ宮。それぞれ篠原篤、成嶋瞳子、池田良という俳優の魂に向かって当て書きされた人物たちは、この社会が育ててしまった理不尽をその身に受け、もがき苦しむことになる。
橋口亮輔は怒っている。どうしてこうなってしまったんだ、と。喪ったものはあまりに多く、絶望は深い。橋梁点検をしながら社会の根っこに耳を澄ますアツシは言う、「全部ぶっ壊れてる」、と。
前に進もうと足掻いても空回りで、逃げ出そうとしてもうまくいかなくて、情けなくて、口惜しくて、痛くて、辛くて、苦しい。だけどそれでも、生きていくことを、この映画は描こうとする。
それほど深い付き合いでもない(彼からは関係も奪われている)職場の先輩に、怒りと憎しみをぶちまけるアツシに、先輩・黒田は「俺は、あなたともっと話したいと思うよ」と言う。それは何の解決をもたらす言葉でもない。世の中に片附くなんてものはない。しかし、そういうささやかな温度を持った断片を重ねることで僕らは生きているし、これからも生きていく。
最後にアツシが見上げた青空は、愚かさや醜さをそこかしこで現しつつあるこの世界を、それでも包み、美しい青で彩っていた。「よし」。そして生活は続く。

この映画を、マジメで貧乏臭い映画だ、と言って片付けている知識人の言い草に憮然としたので書いた。ほんの隣にあるものに目を瞑って、スマートでゴージャスでそれなりに政治的な拵え物が見たければ、他にたくさんあるだろう。
橋口亮輔監督というのは本当に才能豊かな監督だと思う。

群像劇としての本作は、様々な登場人物の日常らしき出来事が、まるで「ドキュメント」のように描かれる。

しかし、これらは「日常らしき」世界であり「ドキュメント」のようであるが、フィクションであり、物語であり、何より映画なのである。

物語空間の出来事として主人公たちの「日常」はリアルなようでいて、非常に不自然なまでに作劇的な空間になっている。

ドキュメントっぼい演技、演劇的に見える演技、そして映画でしか描けないような沈黙やじっと俳優たちが佇むだけの印象的なシーン。そして、あの変な水とか、皇族とか、覚醒剤とか。
よりによって繋がる映画的小道具と人間関係。関係性や、出来事によって多面的に見える人物の感情と豊かな表現が畳み掛けてくる。
東京という街、日本という国の中で痛みをこんなにも炙り出した作品はあまりない。
そして、それらが交わって映画でしか表現できない時間として画面に現れていて。
本当に素晴らしい映画。
世の中の様々な理不尽や自己中で想像力のない無神経な人たちなどに対する怒りが露わになりすぎていた。心ない言葉や理不尽な出来事に対面した時の、遣る瀬無い悲しみや怒りを、ほんとに上手に描きすぎていて、今までにないくらい泣いた。
この世は自分が想像する以上に人生が交差していて、自分が経験した事もないようないろんな感情があって、些細な言葉が自分の知らない間に相手を苦しめていたりとか、傷付けたりとか、逆に人生を救ってたりとか、そういうことが実は本当にたくさんあるんだと思う。ほんとに計り知れない。つらい。
sokwtkhr

sokwtkhrの感想・評価

4.6
「人生は何かを獲得することではなくて、何かを失っていくこと。」
という言葉を思い出した。本か映画のセリフだと思うが、詳細は思い出せない。

今この瞬間も、どこかでなにかと向き合ってる人がいて、辛くても逃げずに生きている人がいる。

辛いことがあると、つい自分だけが辛い思いをしているように感じ、周りが見えなくなる事があるが、そんな時「自分だけではない」と少しだけ希望を持てるかもしれない。

実際、全てがうまくいく人生なんて有り得ないし、辛いことがない人間なんていない。

人生は失うことだ。
違いあるとすれば、それと向き合うか、逃げるかである。と感じた。

青空を見上げる主人公にこんなに共感する気持ちは初めてかもしれない。
落ち込んでいた表紙のシーンは夜だったし、対になっているのかな。

余韻が残るいい映画だった。


ワークショップで出会ったアマチュアに近い俳優陣を起用したとのことだが、とても緊張感あるいい演技だったと思う。

監督は、彼らが限界を超えるようなものにならなければ、彼らの未来に繋がるものにならない。と考え、台本はみんな、あて書きで、書き終えるまで8ヶ月かかったとのこと。
この強い想いが俳優にも伝わり、力強い映画になったのだろう。

腕のない上司と部屋で話すシーンか印象的。
やりきれない思いが爆破しそうな緊張感と、沈黙に時計の針の音だけが響く演出。彼の耳の良さともリンクしていて、すごく良かった。

ハッシュのときに、ホン・サンスを思い起こさせるような長回しのカットがあったが、本作では早いズームもあり、すこしニヤッとしてしまった。



個人的には、エンディングの表題と同時に、サニーデイの「恋人たち」が流れてたら最高だった。
でも、スーパーカーのAOHARU YOUTHみたいなエンディングも良かった。



監督コメント
飲みこめない想いを飲みこみながら生きている人が、この日本にどれだけいるのだろう。今の日本が抱えていること、そして"人の感情"をちゃんと描きたい。
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