コミカルにシニカルに、結婚を描いた作品。濱口監督作品としては荒削りな感じが否めなく（撮られた年代も古いので）、特に元カレやバンドを取り巻く表現は、少なくともぼくには理解はできなかった。
ただ、人のダメな部分（失敗し、わめき、最後に開き直る）の描き方は秀逸で、「ごめんね、これからもきっとごめん」という言葉には本質と、同時にどん底を感じた。
本筋ではないが、突如として現れる女の子（菅野莉央）の、物語における役割は好き。『寝ても覚めても』の唐田えりかみたいに、実際にいるのかわからない存在のあやふやさがよかった。
